はじめてのR22操縦(その7)

Day-3

訓練3日目の後半です。きょうからTGL(Touch-and-Go Landing)を始めました。北東に向けて離陸し、すぐ右旋回して離陸したスポットに進入する離着陸です。場周経路を回るよりずっと時間短縮できるので、離陸上昇と着陸進入の回数を増やすことができます。

離陸上昇

まだホバリングがしっかりできないので、まともな離陸は無理! ホバリングもどきの状態でフラフラしながら離陸上昇していきます。

低速時は足ペダルで方向を維持…が、なかなかうまくいかず、かなり機首がふらついて斜めになりながら前進し始めます。すると、IGE(In Ground Effect:地面効果内)ホバリングから外れて少し機体が沈む感覚があるので、わずかに左手(コレクティブ)レバーを引き上げます。このときトルクの増加で機首が右に向かないように左ペダルを当てます。

徐々に速度を上げていくと転移揚力(Translational Lift)が発生して、機体がドドドッと持ち上げられるのをはっきり体感します。機首が上がろうとするので右手(サイクリック)スティックで抑えつつ、R22の最良上昇率速度(Vy)53ノットまで増速していきます。このとき、MAP(Manifold Pressure:吸気圧力)計の指示がTOP(Take-Off Power)の約23インチになるよう、左手レバーを引き上げ(同時に左ペダルを踏み込み)ます。増速中にも急な機首上げが発生しますが、これは反時計回りのメインローター右側の揚力が前進速度の増加と共に大きくなり、ジャイロ効果によって90度遅れて(右側→前側)機首が上がるということのようです。

離陸上昇がこんなに難しいものだとは思っていませんでした。地面効果、転移揚力、ジャイロ効果と、理論で学んだことがこんなにはっきり感じられるンですね。ピタッと安定した姿勢と角度で上昇させるのって、固定翼機に比べ、かなり大変なことなんだと分かりました。

着陸進入

高度400~500フィートAGL(Above Ground Level:地上高)まで上昇すると、教官が小さい右旋回でファイナルに乗せてくれました。そこから再び操縦を任され、直線進入して着陸します。

進入速度60ノットを維持しつつ、パス角が一定になるように左手レバーを下げて安定した進入を続けます。高度約300フィートAGL付近から徐々に減速を開始します(しばらくの間、「徐々に減速開始」だと思い込んでいたのですが、後日、減速開始のメリハリをはっきりつけた方が良いと指導されました)。

減速開始は、左手レバーをさらに下げると同時にトルクの減少に合わせて右ペダルをわずかに踏み、パス角が変わらないよう右手スティックを引いて機首をわずかに上げます。速度が約50ノット未満になると速度計があまり当てにならなくなるので、地面を見て減速の度合いを感じつつ、左手レバーでパス角を変えずに降下し続けます。

速度低下とともに転移揚力が弱まって高度の低下を感じます。その付近からは、進入中は下げていた左手レバーを少し引き上げてパス角を維持する必要が出てきます。つい、機首をさらに上げたくなりますが、減速効果が大きくなり過ぎて目標より手前で止まってしまうことになります。じっと我慢して、どちらかといえば機首を抑える(下げる)意識を持っていた方が良い感じがします。

かなり減速した状態で、まもなくスポットに到着…という高度になると、地面効果が感じられるようになります。スポットの上で停止して沈み込みを止める…すなわちホバリングするには、左手レバーを少し大きめに引き上げる必要があります。私にとってはここが難しいところで、左手レバーの引き上げ→トルク増大→(機首が振れないように)左ペダルの踏み込み、という操作と同時に、右手スティックで前方への移動を止めつつ水平を維持して左右に流されないようホバリングする…という一連の操作が、なかなか思いどおりにいかないのです。まだホバリングがしっかりできないので、それっぽい状態で勘弁して下さい。

でも、離陸して上昇後の右旋回も含めて着陸ホバリングまでのすべてを1人で繰り返し操縦させてもらうと、少しはヘリ・パイに近づいた気分になりました。うれしーな。

オートローテーション

GPS記録で数えてみると、TGLを14回も繰り返したようです。そのうち1回だけ、距離をとって高度を1,000フィートまで上げたフライトがありました。これは教官によるオートローテーション(Autorotation)着陸のデモです。

オートローテーションはヘリコプターの重要な着陸方法の一つなので、後日じっくりと訓練を受けました。そちらで説明する予定ですが、きょうの高度グラフから読み取ると、直前に私が進入した際の降下率 約530 fpm(feet-per-minutes)に比べ、1,200 fpm 程度まで大きくなっていました。

3日目はこれで終了。上手くできなくても、毎回R22のいろんな特性を体で感じることができ、充実感にあふれています。次回の訓練も楽しみです。(4日目につづく)

※ 冒頭の写真はsiku社(独)のミニチュア・ヘリコプター、2018年1月4日、やぶ悟空撮影