はじめてのR22操縦(その9)

Day-5

5日目は北西の風が強いです。息もあって平均10/最大20ノットの風速です。これまでの4日間は風に恵まれましたが、今日ほど風が強いのは初めてです。強いとは言っても10ノットですが…。

ホバリング

まず、ホバリング訓練から。機首を風に向けてホバーしようとしますが、全く静止できません。風がなくても「ホバリングもどき」しかできない腕前ですから、当然といえば当然。しかし教官に言わせると、10ノットぐらいの風はホバーしやすいンだとか。なんでだろ?

せっかくの風コンディションです。風の中での左右ホバーターンの違いや、左右の横風でのホバリングの違い、テールから風を受けてのホバリングなど、いろいろ経験させてもらいます。ただ悲しいかな、風の影響なのか下手な操作による乱れなのか、はっきり区別がつきません。教官に「ほら、こんなに影響を受けるでしょう」と説明されればそんな気もする、という程度でした。情けないナ。

この訓練では、操縦に及ぼす風の影響の程度を自身で感じてみたいと思っていたので、せっかくのチャンスを逃してしまったような気がします。でも、これからも風の強い日はきっとあるでしょう。

西向きの離陸

風向きに合わせ、西に向かって離陸します。西側には堤防があり、その先の河川敷には堤防より高い木々があります。この木をクリアするように高度をとらなければなりません。この辺りはまだ低速ですが、すぐに右旋回して北に向いて上昇する、という手順です。27のトラフィックパターン(ライト)とでも言いましょうか、ほぼ正方形に近い、高度1,500フィートの場周経路で、1周5分ほどです。

4周した飛行航跡を見ると、どれも歪んでいます。飛行航跡が弓なりに曲がっているのは、風への考慮が足りない典型的な例です。無風のときと同じように機首を遠方目標に向けて飛行すると、横風に流されてコースが少しずつ外れるので、ずれた分だけ機首方位を調整することになります。これを繰り返すと、目標地点には到達できるものの最短の飛行経路にならず、弧を描いた経路になってしまいます。この飛行航跡から推測すると、上空の風は北西か北北西だったようですね。

ファイナルの航跡だけが直線なのは、道に沿っていて高度も低いため、少しのずれでも早めに感じ取ることができ、修正が早かったのでしょう。

横軸は、これまでのように「時間」ではなく、「距離」にしました。

はじめてのオートロ

風がやや北に回ってきたので北向きのTGLに切り替え、トラフィックパターン(レフト)を使います。8分ほどで1周し、通常の進入を行いました。2周目のダウンウィンドへの第2旋回位置が、かなりずれてしまいました。そして、着陸はオートローテーションでした。

「じゃあ、オートローテーション、やってみて下さい」と飛行中にいきなり言われました。えっ、オートロに入れる手順やフレア開始のタイミングとか、いろいろ事前に念押ししてからやった方がいいんじゃ…。

教官:「1,000フィート、70ノットからね」

いきなりだけど、座学ではしっかり教わったことだし、やってみることにします。左手(コレクティブ)レバーをいっぱいに下げ、スロットルも絞ると、フッと身体が浮く(機体が沈む)感じがして降下していきます。急激に落ちる感覚ではないので、恐怖感はありません。「65ノットを保って」と言われ速度計を見ると少し低下していたので、やや機首を下げて増速します。地面がどんどん近づいてきます。教官のデモを思い出しながらリカバリー手順を思い浮かべます。

早めにスプラグ・クラッチ(sprag clutch:一方向にだけ回転力を伝達するしくみのクラッチ)を噛み合わせておきたいので、左手のスロットルをひねってエンジン回転を上げ…さぁ、もうフレアしなければ。クラッチがつながっているから反トルクの影響が出るはずで、え~と、左ペダルの踏み込みが…などと考える余裕もなく、ともかく機首方位の維持とフレアからホバリングへの移行に集中します。教官の言われるままに操作しただけだったので、フレア開始の高度も見ていない、教官がどの辺りをサポートしてくれたのかも分からない…という状態で終わってしまった、初めてのオートローテーションでした。

この日は、この後もオートローテーション着陸の訓練を行いました。GPS記録の分析などは次回に予定しています。

5日目はここまでを前半とします。オートローテーションが面白くなってきました。(5日目の後半につづく)

※ 冒頭の写真は、富士ベル204B2のテールローター、2018年1月7日撮影