はじめてのR22操縦(その11)

さあ、またロビンソンR22操縦訓練に戻りましょう。前回の5日目終了時点で、飛行時間6時間00分ちょうど、着陸回数は32回となりました。

いまさらですが、私は「R22」を「アール・ツー・ツー」と呼んでいます。R22は2人しか乗ることができませんが、4人乗りの「R44」(アール・フォー・フォー)もあります。これらはいずれもレシプロエンジン機ですが、その後「R66」というタービンエンジン機も出ました。「6」だけど5人乗りです。さて「R66」はどう読んだらいいのでしょう?「アール・シクスティシックス」かな?「ルート・シクスティシックス」の国道みたいだけど…。

Day-6

6日目は、ほぼ西の風で平均5→14ノットと徐々に強くなり、最大瞬間風速23ノット。

南を向いて横風で離陸しました。高度が少し上がって堤防や木々の高さを超えたとたん、右(西)からの風にあおられて、機体が左へ大きくロールしました。風の影響を予測せずに漫然と離陸上昇していたので慌ててしまい、とっさに教官の手が出ました。危ない危ない。土手は恐い。

左旋回で1周だけして、風を考え西向きに着陸しました。

その後は、5日目(その9)と同様に西向きの離陸に切り換えて、ほぼ四角のトラフィックパターンを使うことにしました。

SQパターン

着陸した広いスポットで、初めてスクウェア(四角)パターンの訓練です。

まずは、ヘリパッドの円の外側にある四角い線の上を、角で90°進行方向を変えながら1周するものです。教官によるお手本のあと操縦を渡され、ホバリングからゆっくりと進入します。線をまたぐのがなかなか大変で、右にずれていきます。膨らみながらも角に到達すると、一旦停止して機首を90°左に振ります。向きが変わると、風を考えて微妙に右手(サイクリック)スティック操作も変わります。速度が速くなったり、それを修正しようとして高度が変化したり、機体がずいぶん揺れてしまいますが、なんとか一回りしました。

次は、機首方位を変えず、前進→左横進→後進→右横進と周ります。前進は同じですが、横進では前に出たり後ろに下がり過ぎたりと安定せず、高度も変わってしまいます。後進では進行方向が見えない怖さがあり、速度の感覚もつかみにくい感じです。

(↑)記録に使ったGPSでは、これぐらい拡大すると精度の限界で航跡のギザギザが目立ちます。もしや実際の飛行がギザギザだったりして…

スクウェアパターンは、ムズいけど面白い! ハマりました。ヘリコプターの、こういう細やかでテクニカルな飛行が私は大好きなので、これだけを1時間ぐらいやっていたいと思ったほどです。

その後、右のトラフィックパターンを1周してからホバリングの練習、さらに3周し、最後の着陸1本はオートローテーションでした。

ダウンウィンドでは対気速度70 KIAS(ノット)だったはずですが、西風(追い風)を受け、GPS記録による対地速度は90ノットにまで達しました。

背風の離陸

徐々に西風が強くなってくる中、敢えて背風での離陸を体験してみることにしました。もちろん、初めてです。

東向きにいつもどおりの感覚で離陸しましたが、高度がなかなか上がりません。200m以上先にある電線でさえ気になってしまうほどです。風向きの確認と離陸方向の選択という、当たり前のことが重要だと、まさに体感しました。追い風は、ヘリコプターの特性に格段の悪影響を及ぼすようなので、注意が必要です。

比較のため、こちら()は無風だった4日目の離陸のグラフです。

水平距離1キロメートル位置で、無風時は高度約620フィートでしたが、きょうの背風だと高度430フィートほどです。標高を考慮したうえで上昇角を計算すると、無風で約10°、きょうの背風で6°少々という値でした。

いちおう速度も見てみます。GPS記録の位置から計算した結果なので、対気速度ではなく「対地速度」グラフです。

こちらも4日目(無風)の離陸()と比べます。最良上昇率速度(Vy)は 53 KIAS(ノット)なので、おおむねそれぐらいの速度で上昇していたようです。

背風の場合()は対気速度がなかなか上がらず、対地速度で約65ノットまで増速していました。その後の対地速度低下は旋回したためです。左上昇旋回しつつ対気速度を一定に保っていますが、風に向かうにつれて対地速度は低下します。それほど正確に旋回できたのか、少々疑問ですが…。

6日目の訓練はここまで。風があっても何をやっても楽しく、かえってR22の特性がよく分かる訓練ができた気がします。(7日目につづく)

※ 冒頭の写真は、キッチンに着陸したトミカのドクターヘリBK117 C-2、2018年1月18日、やぶ悟空撮影