はじめてのR22操縦(その15)

Day-10

10日目は東の風。平均風速約8ノット、最大瞬間15ノットで、だんだん強くなりました。

まずは基本のTGLから。南に離陸します。対気速度53ノットで、ちょうど良いクラブアングルになるように風上(左)に約20°ほど機首を振って上昇し、右側トラッフィックパターンを2周しました。その後、スポットから南東に向かって離陸した直後、すぐに左旋回上昇するという、左側トラッフィックパターンを2周しました。

赤のGPS航跡がTGLで、右回りと左回り、それぞれ2本ずつです。青の航跡は、この後に行ったオートローテーション3本です。右回りのパターンは、赤と青の計4周分の航跡がほぼ重なっています。これまでは旋回地点がなかなか一致しませんでしたが、ようやく同じ飛行コースを回れるようになりました。高度は1,500フィートです。

左回りパターンでは、高度1,500フィートに到達するとすぐ降下開始のタイミングになって忙しいです。高度は1,000フィートぐらいでも良さそうに思いますが、騒音問題などもあるようですから…。

ホバーターン

風があってちょうどいい機会なので、芝スポットで左回りと右回りのホバーターンをやってみます。

風に正対してホバリングします。左回りホバーターンでは、初めの90°までは機首方位が変化しにくいのですが、90°を過ぎると急に早く回り始めます。ゆっくり一定のレートで回るよう、右ペダルの踏み込み加減を調整する必要があります。ターンの中心がずれて流されやすいので、風向きを考えて右手(サイクリック)スティックを風上に倒します。逆の右回りでは、初めから回り出しが早くなります。

また、左からの横風の中でのホバリングはテールローターの推進力が風で打ち消されるように働くため安定しにくいのですが、右の横風ではやや楽でした。

風上にお尻を向けてみます。ヘリコプターは背風に弱いと言われますが、R22はテールからの風に比較的強いらしく、あまり機首は動きません。ベル206ジェットレンジャーは背風に弱くて大変なのだとか…。乗ってみたいな。

ヘリコプターのこんな特性を自身で体感でき、学んだ理論どおりになることを確認できることが、非常に嬉しく思います。

その後、ホバリングから芝スポットに着地させたとき、静止できずにズルズルとバックしてしまいました。スキッドの後ろは草などに引っかかりやすいので危ない状態でした。おっと、気を付けなきゃ。少し慣れてきたころが一番危ないとよく言われます。

180°オートローテーション

再び南に離陸し、右側トラッフィックパターンで直進オートロを2本行った後、初めて180°オートローテーションをやってみました。風は東から10~15ノット程度です。

南から川のやや左を、300フィート高い高度約1,300フィート、速度70ノットで水平に北上し、スポットが右アビームにきたら左手(コレクティブ)レバーをいっぱいに下げ、オートローテーションに入れます。針割れ(通常は一緒に動く、エンジン回転とローター回転の一体計器の指針が、ローター回転数は下がらずにエンジン回転だけが低下すること)を確認して速度65ノットを維持しつつ右旋回します。速度ばかりに気をとられ、ローター回転数が上昇してイエローゾーンに入っており、教官に指摘されました。旋回時はローター回転が上昇しやすいと座学で教えていただいたとおりです。左手レバーをやや引き上げて(メインローター・ブレードのピッチ角を深くし、)ローター回転の上昇を抑えます。うまい具合にいい角度でファイナルに入れました。あとは直進オートロと同じです。

高度500フィートを切っていますが、ゆっくりスロットルを開いていくとガバナが効いてクラッチが噛み合います。さらに高度が低くなってから徐々に右手(サイクリック)スティックを引いてフレアをかけ、降下率を抑えつつ減速しますが、まだ左手レバーは引き上げません。ローター回転数が上昇し過ぎないよう、ほんの少し引いているだけです。始めはフレア姿勢を維持します。十分に減速して機体が沈み込む前にゆっくりと左手レバーを引き上げ、同時にスキッドを水平にするため右手スティックを前に押しつつ、ホバリングに移行します。このタイミングが遅れると機体を水平に戻しにくくなるので、フルタッチのオートロでは接地後1機長分ほど前方に滑走する程度が良いのだそうです。

)左からの2本は直進オートローテーション、右からの1本は180°オートローテーション

ところで、訓練初日から交換していなかったガーミンGPSの電池が、180°オートロの最後のところでエネルギー切れになっていました。そのため本日の飛行は、これ以降のGPS記録が残っていません。残念…。

スティープ・アプローチ

風に向かって西からセンタースポットに深い角度で進入し、堤防とフェンスを越えて着陸します。

  • 風が弱いか無風のとき、重量が重いとき、気温が高いときの高仰角アプローチは要注意
  • スロットルを強く握り締めたり、左手レバーを急激に引き上げたりすると危険
  • 進入パスはなるべく深くしないほうが安全

と教えていただきました。

最大性能離陸

風上(東)に向いて格納庫超えの離陸です。スポットでのホバリング状態から、ほぼ真上(ほんの少し前方)にTOP(Take-Off Power)で離陸し、格納庫の高さを超えたら徐々に前進速度をつけて通常離陸を継続します。

どうってことのない手順なんですが、すぐ目の前に大きなハンガーがあるので心理的な圧迫感があります。真上に上昇した経験もなかったのですが、気温が低いのでR22でも軽々と上がっていきました。

ホバー・オートロ

相変わらず機首が左を向いてしまい、左手レバーの引き上げタイミングも早いようです。2度目は多少良くなったのですが…。何度やっても上手くいかない、苦手な科目です。

エプロンに帰投

南側の芝スポットから、風上にクラブをとってエアタクシーします。センタースポットのフェンスを越える付近から変なローリングが始まりました。進行方向を軸にして渦を巻くような…これまで経験したことのない挙動です。うまく修正・回復できないままセンタースポットへ入り、ホバリングすると収まりました。

風による姿勢変化への対応が遅いとこうなるのだそうです。特にテールブームが長い機体では起こりやすいとのこと。

その後もスポットへの着地で前方に流れてしまったので、着地をやり直しました。今日はスキッドを上手く着地させることが目標だったのに…。チキショー、風に負けた!残念。

本日までの飛行時間は、約12時間半となりました。
10日目の訓練はここまでです。(11日目につづく)

※ 冒頭の写真は、苫小牧市科学センターに展示されている富士ベル204B-2ヘリコプターのエンジン&ローター回転計、2018年1月14日、やぶ悟空撮影