はじめてのR22操縦(おまけ1)

はじめてのR22操縦(その11)」と「はじめての…(その12)」で紹介しましたが、私の好きな訓練「スクウェア(SQ)パターン」について図を描いて説明を加えることにします。

SQパターン

四角い目標の上で、ホバリングしながら線上をゆっくり移動する訓練です。この図の場合は、左手前のカドから進入し、四角い線と機首方位を一致させ、かつ左右のスキッドが線をまたいだ状態でゆっくり前進します。カドまで進んだらホバリングで一旦停止します。ホバーターンで90°向きを変え、次の線上へと進める訓練です。

最初の進入時点で風にほぼ正対させますが、進行方向が四方に変わるので、どちらから風が吹いていても対応する訓練になります。機首方位は、風向にかかわらず常に線の向き(スキッドが線と平行)になるように飛行するので、機体はかなり傾いています。風がなくても少し傾けないと静止できないんですが…(理由は「はじめての…(その4)」をご覧ください)。

右手前のカドから入ると逆回りになるので、そちらも練習しておきましょう。得手、不得手があるかもしれません。

次は少し難しくなり、機首方位はいっさい変えません。前進して一旦停止したら、カニのように横に進みます。ヘリコプターならではの横進です。次のカドからはバック(後進)しますが、もちろん後ろは見えません(100メートル四方もある広い場所で行いました)。最後はさっきと逆方向に横進する、というものです。

前進と後進はキッチリと線をまたぎますが、横進はどこに合わせましょうか? メインローター回転軸が線上から外れないようにしても良いと思いますが、ホバーターンでは自分を中心にして回るよう指導されたので、右操縦席の自分自身が線上にくるようにしてもいいかもしれません。その違いが分かるほど正確に操縦できるようになりたいものです。

きちんと四角を描くことだけでも十分に難しいのですが、さらに地上高と移動速度も一定に維持するのはますます困難で、風が一定でなく息があるとなおさらです。私のように初めてヘリコプターを操縦して1週間程度の初心者から、ある程度の操縦経験者まで、広く有効な訓練のような気がします。

ホバー・タクシー

駐機位置から離陸のスポットに移動するには、スキッドタイプのR22ではホバー・タクシーせざるを得ません。最初の数回は教官が操縦してくれたのですが、まもなくタクシーするのも訓練生の操縦になり、初めのうちは「ラインを気にしなくていい」と言われたものの、すぐに「キチンと線をまたいで!」と言われるようになります。

駐機スポット近傍には建物だけでなく他の機体や人もいるので、ホバリングやタクシー中に機体が暴れると危険ですし、ダウンウォッシュにも気を使います。移動距離はわずかなのですが、細かく進行方向が変化することもあって初心者にはホバー・タクシーがとても難しいのです。

でも、SQパターンの訓練をしてからは、駐機場所と離着陸のスポットとの移動が少しは楽になったような気がします。1日の訓練飛行が終わり、センター・スポットに進入してぴったりホバリング、90°ターンして誘導路中心線上をきれいにホバー・タクシーして駐機場所で再び空中停止し、ゆっくり高度を下ろしてスキッドを接地させる…。当たり前のことなんですが、未熟な訓練生にとってこれができたときは最高の気分です。ここまで上手くいったことって、一度でもあったのかな?

ホバー・タクシーは、「地上高25フィート未満」(ヘリコプター飛行ハンドブック:米国連邦航空局)とか、「スキッド高3~5フィート、歩く速度で」(ヘリコプター飛行訓練マニュアル:カナダ運輸省)などと言われています。私が教わったホバリング高度は、スキッド高が約3フィート(約1メートル)というもの。初心者は低めの地上高でホバリングした方が止まりやすいから…かもしれません。初めてのホバリングでは大暴れするでしょうから、低いとスキッドが地面に引っ掛かったりして危険ですけど。曲がりなりにもホバー・タクシーできるようになったら、減速や停止の時に機首上げ姿勢になるので、テールが地面に当たらない程度には高めにしておきたいところ。まぁ、スキッド高3フィートでテールが地面に当たるほど姿勢を変えてしまうようでは、まだまだですね。

「ホバー・タクシー」の他に「エア・タクシー」という言葉もあります。飛行場内の比較的長い距離を移動するときをいうようで、地上高100フィート未満(前述のヘリコプター飛行ハンドブック:米国連邦航空局)とされています。この場合でも、他の航空機や車両、人などの上を飛行することは避けなければなりません。

2日間(Day-6, Day-7)しかやっていませんがスクウェア・パターンが気に入りました。訓練科目としては特に設けられていないのでしょうか? 違う言い方をするのかもしれませんが、検索してもなかなかヒットしません。でも、とても良い訓練になったと思います。

※ はじめの写真は、苫小牧市科学センターに展示されている富士ベル204B-2のNavigation Light(写真上)と尾部のPosition Light(写真下)、いずれも右側です。2018年1月7日、やぶ悟空撮影