新たなICとタヌキ

東西に長い苫小牧の街並みに沿って走る道央自動車道、苫小牧中心部にいちばん近い場所に新たなインターチェンジ(IC)ができることになりました。いま、工事が進められています。

現状

苫小牧市を走る道央自動車道には苫小牧東ICと苫小牧西ICがありますが、JRの駅や市役所がある中心部からは、どちらも少し離れています。

  • 苫小牧駅~苫小牧東IC:車で約25~30分(約15km)
  • 苫小牧駅~苫小牧西IC:車で約20~25分(約11km)

30分以内なら十分に近い!と言われるかもしれませんね。ちょっと地図をご覧下さい。

東ICは札幌と日高方面と結ぶ接続点として良い場所にあると思います。一方、西ICは樽前山に向かう道道に接続していますが、交通量は少なく冬期間は通行止めになる道です。北海道一の国際拠点港湾である苫小牧港を有し、今年1月には道内人口第4位となった苫小牧市、その中心部を結ぶのに最適な場所である国道276号線との交差位置にICがないことを、私は以前から不思議に思っていました。東ICとの距離が近い…などの理由で設けられなかったのでしょうか。

その昔、苫小牧は西へ西へと発展していった時期があったそうです。その将来を見越して西ICの場所を決めたのかもしれません。その後、西部は元気がなくなり、近年では東に拡大しています。その名のとおり湿地帯で何もなかったという沼ノ端近辺は、今では広大な宅地となっています。結果的に東ICは便利な位置と言えるでしょう。

いま、苫小牧駅周辺の空洞化が進んでいますが、やはり東西のICの中間地点に新たなICが必要と考えるのは当然でしょう。(私は有料道路をほとんど使いませんが、時間を優先したいときの利便性は向上します。)

新しいインターチェンジ

すでに工事は進められており、完成予定は3年後の平成33(2021)年3月末、全体事業費は約30億円で6割を国が負担し、残りを道が支出するとのこと。名称は「苫小牧中央インターチェンジ(仮称)」とされています。東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)の図面から分かった工事場所などを地理院地図に重ねて描いてみました。

)苫小牧中央IC(仮称)の位置および規格(トランペット型)

新たにICができる場所は高丘森林公園のど真ん中で、私もたまに出向く散策路のたくさんあるところです。春の陽気に誘われて山を歩いていたところ、思いがけずIC工事現場に出ました。

)東方向を見る。写真中央を横切る散策路付近が料金所か。R276接続点はさらに奥

)R276との接続点付近

)R276から見たIC入口

写真のように、道央自動車道の北側では大規模な掘削が行われ、工事は最初の一区切りが付いた様子で、工事車両や作業員は見当たりませんでした。樽前山の噴火によるものらしい地層がきれいに出ていました。

道央自動車道を横断するトンネルを通って南側に出ると、高速道路に沿って北海道電力の高圧線が走っており、鉄塔に至る散策路を進みました。高速道路の南側の工事はまだ始まっていませんが、間もなくでしょう。

高丘の森

)工事現場付近の散策路で出会った狸のペア、2018年4月18日、やぶ悟空撮影

今月お亡くなりになった高畑監督の「平成狸合戦ぽんぽこ」(スタジオジブリ制作のアニメ映画)を思い出してしまいました。高丘森林公園は、ボートに乗ることができる金太郎の池がある緑ヶ丘公園につながる森で、街に近いものの、エゾシカやキタキツネはもちろん、ヒグマさえも出没する豊かな森の中です。アカゲラやクマゲラなどのドラミングの音を聞きながら散策するのはとても気持ちがいいものです。ただ、道央自動車道を走行する自動車の音が途切れることなく聞こえてくる森でもあります。高丘に住む動物たちにとっては新しいICの建設なんて迷惑なンだろうな、きっと。

※ 最初の写真:高丘森林公園で見上げた空に政府専用機。2018年4月10日、やぶ悟空撮影(画像加工)