翼を持った船

)飛行機のマークにしては尾翼がない。いったい何だろ?

ことし初めて25℃を超えた苫小牧、貴重な夏日はやっぱり海でしょ!と自転車をこぎました。とはいっても、苫小牧で海水浴は冷たくてムリ! 大きな船でも眺めましょか。

)きれいなオレンジの船は近海郵船の「ひだか」、RoRo貨物船というらしい。Roll-on/Roll-off、つまり自走で積み下ろしできるフェリーのような貨物船です。船体にいろんなマークが描かれていることに気付きました。

)錨の下に描かれているのは、きっと船首の水中部分が突き出ていることを示すマークでしょ。バルバスバウ・マークというらしい(bulbous bow:球根状の船首)。あれ?擦り傷のようなものが…。何かに当たった?

)バウ・スラスタ・マーク。これも見れば分かりますね。船首にあるサイド・スラスターの位置を示しています。可変ピッチプロペラを使用しているそうです。

)後方のサイド・スラスタ・マーク。船尾には2つあるんですね。お尻を横に振る方が操船しやすいということでしょう。

)これは分からなくて調べました。たぶん、タグボート・マークじゃないのかな? 押すときはココ!よろしくっ、てね。

)そしてこれが冒頭で紹介したマーク、尾翼のない飛行機です。思うに、フィン・スタビライザーの位置を示しているような気がします。ちょうど中央付近にありました。

)日本舶用機関学会誌 第9巻 第1号、1974(昭和49)年1月の図に着色

出っぱったままだと接岸できないので、格納できるようになっています。三菱重工技報 Vol.53 No.2 (2016)によれば、敦賀-苫小牧間に就航中のRoRo貨物船“ひだか”は、「翼面積9平方メートルの大型フィンスタビライザーを装備し航行中の船体横揺れを抑制することにより、荷崩れの防止を図り航行安全性を向上させると共に貨物ダメージの低減にもつなげている。」とありました。全長約180メートル、総トン数11,000トンを超える船に「翼面積9平方メートルの大型フィン」と言われても、ずいぶん小さいような気がします。ちなみに、セスナ172の翼面積が約16平方メートルですからね。巨大な船体に対し、こんなに小さな翼でも上手く制御すると十分な効果が得られるということなのでしょう。

船と飛行機、まったく異なるように見えて、実は類似点が多いですね。液体と気体の違いはありますが、どちらも流体の上を(中を)移動するので、プロペラ、舵、翼など同じような考え方なのかもしれません。水中翼船ならいっそうでしょう。航空では、もともと歴史ある船で使われていた言葉がそのまま使われることがよくあります。船も飛行機もshipと呼ぶし、captain(船長、機長)、cabin(船室、客室)などもそうです。nautical mile(海里)は、船や飛行機で地球上を移動するのにとても使いやすい単位です。port(左舷)、starboard(右舷)という言い方も共通で、船は左舷を岸に着けるから、と言われていますが、RoRo船“ひだか”は右舷側を岸壁に着けて積み下ろしする造りになっていました。まぁ、何事も少しづつ進化していくものですね。

(↑)同じ近海郵船のRoRo船“とかち”が出航していきました。

※ 写真はすべて、2018年6月24日、やぶ悟空撮影

コメント

  1. イカゴロ より:

    苫小牧港は物流的に重要な北海道の拠点なので、函館同様に色々な大型船がいつも入港しているようですネ。風変わりな外国船や特殊な用途に使用する貨物船などを、じっくり観察するのも実に面白いと思います。また、面白そうな船が入港したら今回同様解説付きで教えてください。