新得の滑走路

道東方面に所用の帰り道、新得に立ち寄りました。

農道離着陸場・十勝西部地区」という看板があり、滑走路に入るゲートが開いていました。畑に向かうときに農作業車両が滑走路を大きく迂回しなくて済むよう、滑走路を横断できるようにしてあるのでしょう。舗装路面にトラクターのタイヤ跡がたくさん残っていました。これぞ農道離着陸場! でも、「滑走路・エプロンを許可なく使用することを禁じます。」という新得町(管理者)の表示があります。横断するだけなら「使用」に当たらないのかもしれません。

エプロンには単発の固定翼機がシートで被われ保管されていました。へ~ぇ、小型機の離着陸に使われているんですね。(クリックで飛行機拡大)

ビーチクラフトA36JA3815です。屋外駐機のため各部が丁寧に包まれ、大事にされているようです。

管理事務所らしき建物と隣の格納庫は閉ざされていました。

滑走路はこんなかんじ。

滑走路35エンド側。路面にひび割れはありますが、離着陸や地上走行に支障はなさそうです。反対の滑走路17側には車が3台ほど入っていました。ラジコンやドローンなどの飛行物体は見えませんでしたが、日曜日なので広い滑走路の一部を何かに使っていたのかもしれません。

滑走路の中央付近。割れ目から出た草は元気に育ってます。

滑走路両端に接続する道路は、「許可なく立入禁止」のゲートが閉まっていました。

農道離着陸場

農道離着陸場は全国にか所建設され、その半数のか所は北海道にあります。いずれも滑走路は800m×25mです。

  • 北見地区農道離着陸場、スカイポートきたみ(北見市)
  • 美唄市農道離着陸場、スカイポートビバイ(指定管理者:ピートエアインコーポレーション日本支店
  • 余市農道離着陸場、アップルポートよいち(余市町)

そして、このたび訪れた

  • 新得町農道離着陸場(新得町)

は、道内で最初に建設された農道離着陸場です。愛称は…ないのかな?

北見」はグライダークラブで、「美唄」はパラシュート・ジャンプで活用されているようです。「余市」では「2016北海道スカイスポーツフェア・イン余市」が開催されています。ちなみに昨年の同フェアは「美唄」でした。でも「新得」に関しては、その名を目にしたり耳にする機会がほとんど無いように思います。

北見市美唄市余市町それぞれのwebサイトには、農道離着陸場を利用するための手続きや規約などの情報が掲載されていますが、残念ながら新得町では「農道離着陸場」の言葉すら見つけることができませんでした。新得町が積極的に利用を促すことをしない何か理由があるのか?と勘ぐってしまいます。「農道空港」といえば無駄な事業の代名詞のように批判も多く、決して良いイメージはありませんが、すでに町内にある「負の遺産」を今後いかに活用していくかを考えなければならないでしょう。

検索に引っかかった新得町議会の記録によれば、過去に超軽量動力機が新得の農道離着陸場をベースに飛行することに関し、周辺住民や町と少々もめ事があったようです。「不許可」やら「異議申立」など、穏やかならざる言葉が並んでいました。それぞれの立場で言い分があることは分かりますが、法や規則を超えたところでお互いの心情をくみ取りつつ、時間がかかっても合意に向けた歩を進めることができるのではないかと、第三者ながら感じました。

各地の農道離着陸場では、「空」に関する利用に限らず、さまざまなアイデアで多目的に活用してもらえるよう工夫を凝らしているようです。新得の滑走路やエプロン、格納庫など、見方によっては羨ましい設備とも言えますので、ぜひ有効に活用できるよう知恵を絞ってはいかがでしょう?

※ 写真はすべて、2018年8月19日、やぶ悟空撮影

コメント

  1. イカゴロ より:

    新得のご視察ご苦労様でした。白老もそうでしたが、予算が足りないアスファルト舗装の場合は必ずRWYのセンターライン付近から亀裂が進むようですネ。15年位前に行ったときには、RWY上の傷みはこんなにも感じられませんでした。A36は重い機体なので、経年変化によるハードLDG時の路面強度(建設時/SIWL2.6t)が少々心配かもしれません。

    • やぶ悟空 やぶ悟空 より:

      使用頻度が低いと、滑走路の補修にもコストをかけられないのでしょうね。ひどくなってから直すと費用負担が大きくなる、というのが私の認識ですが、まずは有効活用のアイデアが出せるのか。