神戸航空○○センター

所用で神戸に出かけたので、航空衛星センターと航空交通管制部を見てきました。外観をひと回りだけですが…。○○に入る文字は「衛星」または「管制」としましょう。

▲新緑の「いぶきの森」から見た建物とアンテナ

運輸多目的衛星は現在MTSAT-2の1基だけで運用中です。MTSAT-1Rはすでに運用を終了したため、神戸航空衛星センターのアンテナも中央の1基が撤去され、2基だけになっていました。

    • MTSAT : Multi-functional Transport Satellite、運輸多目的衛星(エムティーサット)

▲入口ゲート脇の看板

3つの組織の名称が記されていました。長い名前なので、ここではそれぞれ

  • 神戸ASC
  • QZSS神戸局
  • 神戸ACC

と略すことにします。

    • ASC : Aeronautical Satellite Center、航空衛星センター
    • QZSS : Quasi-Zenith Satellite System、準天頂衛星システム
    • ACC : Area Control Center、航空交通管制部

なぜ3つの組織がこの建物に入っているのか…については、こちらの記事をご一読ください。

MTSATは、いま

神戸に管制部

神戸ASC

航空衛星センターの敷地をGoogleアースで見るとこんな感じです。

▲出典:Google Earth(撮影年月は不明)

MTSAT-1RおよびMTSAT-2の衛星2基体制に対応したカセグレンアンテナが3基並んでいました。

  • 左:MTSAT-2GESアンテナ
  • 中:MTSAT-1RGESアンテナ
  • 右:MTSAT-1R/2TTCアンテナ

と思われます。

    • GES : Ground Earth Station、衛星通信の地球局で「ジェス」と読む
    • TTC : Telemetry, Tracking and Command、衛星本体の監視制御局で「ティーティーシー」と読む

▲出典:Google Earth(2018年5月撮影)

中央のアンテナが撤去され、無くなっています。北側の駐車スペースが拡張されたのは、神戸ACCがこの建物内で運用を開始するためでしょう。2018年10月、那覇ACCの機能がここに移って、ACC職員だけでも約160名の規模になったそうです。

▲出典:国土交通省航空局のwebサイト(リサイズおよびトリミング処理)

アンテナ3基が並んでいたころの写真です。手前のきれいな芝生はヴィッセル神戸の練習場と聞いていましたが…

▲2019年4月のアンテナ

中央のアンテナが消えました。手前の芝生も消え、雑草だらけで使われていないようです。

GES用アンテナ

副反射鏡の支柱が3本です。ホーン付近にブロア吹出口と鳥よけが付いています。反射鏡の構成枚数がTTCより多い(内側18枚、外側36枚)です。アンテナ基台がごつい感じ。方位駆動モーターらしきものが2個見えています。

TTC用アンテナ

副反射鏡の支柱が4本あります。ホーンと副反射鏡がGESより大きいですね。反射鏡の構成は内側8枚、中16枚、外側16枚です。アンテナ基台がすっきりしています。避雷針の配置はどちらもほぼ同じで、通常運用時用(上部)と強風回避の天頂ロック用(中央)の2本です。

このようにGESTTCでアンテナの構造が異なっていますが、これは製造メーカーの違いによるものでしょう。たぶん、GESは三菱、TTCは東芝じゃないかな? 違ってたらごめんなさい。

TTC用アンテナ

主反射鏡(大きい丸)と副反射鏡(小さい丸)が見えます。主反射鏡は回転放物面、副反射鏡は回転双曲面になっており、これらを組み合わせるとカセグレンアンテナ(Cassegrain Antenna)になります。衛星通信ではよく使われている、パラボラ(放物)アンテナの一種です。

QZSS神戸局

「みちびき」の主管制局は、神戸と常陸太田の航空衛星センターに置かれます。そして、現在MTSAT経由で提供されているMSASGPS補強信号は、今年度中にMTSAT-2が運用停止された後、QZSSの静止衛星「みちびき3号機」から提供されることになります。神戸局または常陸太田局から「みちびき3号機」に向けてSBAS信号がアップリンクされるンですね。

▲出典:国土交通省プレスリリース「航空用の衛星航法サービスに利用する「みちびき3号機」の打ち上げが成功しました!!」(平成29年8月25日、航空局管制技術課)

    • GPS : Global Positioning System
    • MSAS : MTSAT Satellite-based Augmentation System、「エムサス」と読む
    • SBAS : Satellite Based Augmentation System、「エスバス」と読む
      MSASSBASの一つ)

神戸ACC

航空交通管制部といえば、以前はマイクロ鉄塔やVHF/UHFの通信アンテナが建っていたものですが、今では光ケーブルさえ引き込めば管制センターになってしまうようです。もちろん管制卓など多様な機器や電源設備が必要なので、かなりの広さが必要ではあります。

神戸ACCの場合、外観上はパラボラアンテナ以外に航空管制用のアンテナらしきものは一切見当たりません。ゲート脇に看板が無ければ、ここにACCが入っていてわが国の南の空の航空路管制を一手に担っているとは気付かないでしょう。

▲入口ゲートと建物北側

アクセス

神戸市高速鉄道の西神・山手線で西に向かい、終点のひとつ手前「西神南」駅で下車しました。1時間に2本のバス(41系統、サイエンスパーク方面)が出発したばかりだったので、暖かい日だし歩くことにしました。

▲移動経路(スマホGPS記録)(Google Earthを使用)

水色が徒歩経路(途中でスーパーに立ち寄り)です。41系統のバスなら「サイエンスパーク南」バス停が神戸ASC・神戸ACCの前です。

黄色が帰りに乗ったバス経路です。「団地口」バス停で西神南駅前行きの46系統を待っていると、反対向きのバスを待つおばちゃんが「こっちが早く来るよ」と。よく分からないまま一緒に乗り込みましたが、ハイテクパークをぐるっと回ってさっきの「団地口」を通過、そういうことか。乗車距離は長いけど、料金は一律210円なので早く乗って座った方がいいのね。おばちゃん、ありがとう。

※ 特記のない写真はすべて、2019年4月19日、やぶ悟空撮影

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コメント

  1. アバター Cj より:

    最近行かれたのですね、看板もゲートも新しくなってますね。
    この建物と神戸に移転する前の「那覇管制部」に行ったことがありますが、那覇のほうが新しく広く快適そうでした。
    今の管制室は仮設?のようで狭かったです。
    今度のシステムは、福岡ACCから管制データーが送られてきて神戸ACCの管制官が管制するものですね。

    • やぶ悟空 やぶ悟空 より:

      床面積が同じとしても、管制室や機器室は上下より横に広い方が使いやすいのかも。神戸センターは狭いンですか? 長期にわたる移行期間のような、落ち着かない感じなのかなぁ。Cjさん、コメントありがとうございました。