引退したケド、飛んでます

2019年5月14日、苫小牧の上空を日の丸の付いたボーイング747-400が飛行していました。あれっ、政府専用機? 昨年度末で引退したはずなのに…。低い高度で北から苫小牧市街地の上空に現れ、海に出ると同高度で左旋回するという、現役だったころと同じような飛び方です。

▲2019年5月14日16時過ぎ、苫小牧で、やぶ悟空撮影

売却の準備

運航乗務員の技量保持? 2機とも売却するンだから空自で今後747を運航することはなさそうですが…。引退しても機体のための慣熟飛行なのでしょうか。

空自によると、当面は任務に支障が出ないようB-747も運航可能な状態を維持し、B-777のみで問題ないと判断した段階で、正式に運用から離脱させるという。B-747の機体は運航が正式終了後に売却されるが、貴賓室は取り外す。一つは静岡県浜松市にある空自の広報施設「エアーパーク」に展示し、もう一つも無償貸出を条件に貸出先を決める。Aviation Wire (2019年3月31日 22:30 JST) より引用

そうなんですか。運航の正式終了って、いつ?

一方、ネットで見つけた「B-747の整備搬出入に係る地上支援等業務」の仕様書(航空幕僚監部 運用支援課、H31.3.5作成)によると、2号機は

  • 平成31426日(金)~同年59日(木)のいずれかの日に新千歳発羽田着
  • 令和元年510日(金)~同23日(木)のいずれかの日に羽田発

という運航を行った模様です(426日に羽田到着したらしい)。羽田で貴賓室や座席の一部(防衛装備品なども?)を取り外す作業を行った後、510日以降15日までには千歳基地へと戻ったのでしょう。15日には日の丸B747が2機、千歳に並んで駐機していましたから…。

▲2019年5月15日夕方、新千歳空港で、やぶ悟空撮影

そして1号機は、

・令和元年511日(土)~同年612日(水)のいずれかの日に新千歳発羽田着
・令和元年528日(火)~同年629日(土)のいずれかの日に羽田発

と読めそうです。1か月も幅がありますね。羽田での作業期間を2号機よりやや長めに確保しているようですが、何か違いがあるのでしょうか。

シミュレーター訓練

ほかに、「B-747用フライト・シミュレーターによる操縦者訓練の委託」についても空幕が公告を出していました。その仕様書(航空幕僚監部 運用支援課、H31.3.8作成)によると、

  • 時期:令和元年57日~同31
  • 回数:2
  • 時間:一人当たり2時間
  • 訓練者数:2名1組で4

という内容です。空自では今後必要なくなるB-747のシミュレーター訓練を行う理由は何だろう?と考えてみたところ、次の結論に達しました。

「機体購入者が指定した引き渡し先の飛行場まで、空自の隊員が空輸する。(必要な経費は購入者が負担)」

その空輸のための、短期間のシミュレーター訓練だろうと思います。主に目的飛行場の進入経路の確認と各滑走路への着陸、そしてスポットまでの地上走行の訓練ではないでしょうか。

おわりに

しばらくして、再び私の上を飛行していった前・政府専用機ボーイング747-400型機、1号機か2号機なのかは見えませんでしたが、大型4発機のエンジン音と日の丸垂直尾翼は間違いありません。

売却引き渡し期限は6月末に設定されているそうですから、苫小牧で飛行する姿を見ることができるのもあとわずか。どこのどなたが購入したのか分かりませんが、維持費を気にしなくていいお金持ちなら、とても良い買い物と思います。ボーイング747-400、次の生き方も楽しみですね。

▲2019年5月15日夕方、新千歳空港で、やぶ悟空撮影(画像処理)

※ 冒頭の写真は、2019年3月28日、新千歳空港でやぶ悟空撮影


<2019年5月17日 追記>

ボーイング747-400が2機まとめて落札されたようです。注目の落札者は、株式会社エコネコルというエンビプロ・ホールディングス傘下の企業です。こちらをご覧ください。

———- ENVIPRO ニュースブログ より引用
2019.05.16
日本国政府専用機「ボーイング 747-400」を落札し、新規事業の開拓へ
当グループの株式会社エコネコル(以下、エコネコル」)が防衛省航空自衛隊の入札に参加し、日本国政府専用機「ボーイング 747-400」2機を落札し、2019年5月15日に売買契約を締結いたしました。
(略)
この貴重な航空機の落札をきっかけとして、今後増加が予想される航空機の解体ならびにリサイクルを、当グループの大型新規開拓事業と位置づけ、技術、ノウハウ、市場の研究を開始します。

———- 引用ここまで

「エンビプロ」というのは、environment(環境)とprotect(保護)そしてprofessional(専門家)のenviとproを掛け合わせた「環境事業の専門家」という意味だとしています。

これら2機のジャンボ機は、「リユース」のため、さらにどこかに売却するのかと思いましたが、「解体ならびにリサイクル」ということは…。この先の2機の運命が少々心配になってきました。