空自えりも基地へ

えりも岬の近く、航空自衛隊のレーダーがある襟裳(えりも)基地が、6月29日の土曜日に一般開放されるというので出かけました。2019年は「開庁65周年」なのだそうです。

冒頭の写真は、正門近くに展示されているF-1支援戦闘機とレーダーサイト(許可を得て撮影)

えりも岬に向かってドライブすると、山の上に2つの球体(レドーム:レーダーアンテナのカバー)と2方向を向いたパラボラアンテナ2組が見えます。これが、道内6か所にある空自レーダーサイトの一つです。その山の麓に、航空自衛隊 襟裳分屯基地(The 36th AC&W Squadron)がありました。

  • AC&W: Air Control and Warning

▲レーダーサイトから見た、えりも岬と基地(許可を得て撮影)

一般に開放されるこの日は、軽装甲機動車の体験搭乗や山頂バスツアーなど、いくつかのイベントが計画されていました。UH-60JU-125A による捜索救助訓練は、最初の飛行展示です。まずは、この展示を紹介しましょう。

▲レーダーサイト上空に姿を現した UH-60J 救難ヘリコプターと U-125A 救難捜索機

この写真の U-125A は画面の汚れ程度にしか見えませんが、ヘリコプターと同じ右方向に飛行中です。

▲上空に近づく UH-60J

▲パトリオット発射機の上空に接近する U-125A

パトリオット(説明パネルでは「ペトリオット」)のトレーラーには「長分基」と書いてありました。長沼分屯基地から来たンだね。

▲要救助者を発見して急旋回する U-125A

▲救難員を降ろすため接地しようとするUH-60J。ダウンウォシュで埃が舞い上がる

▲要救助者と救難員に近づく UH-60J と、旋回しながら見守る U-125A

発炎筒の煙から分かるように、そこそこの強風です。吹き流しはこのとおり。

通常は、ヘリコプターの機首を風上に向けてホバリングするのが常識です。しかし、この日は写真のように完全な背風でホバリングしました。なぜだ?

このヘリコプターは右席で操縦していますから、下方を見やすい右側から吊ります。機首を風上に向けるとヘリの右側面がアチラ側を向いてしまいますので、手前にいる観客から見やすいように配慮したのでしょう。

▲要救助者と共に UH-60J に吊り上げられる救難員。上空では U-125A が旋回中

風の息(風速や風向の変化)は少なかったものの、かなりの強風の中で安定したホバリングを見せてくれました。実際の救助では近くに障害物がある場合も多く、ヘリコプターにとって不利な背風の状況での救助作業を行わなければならない場面があるはずです。UH-60J は、目標に進入してホバリングするまで自動で行ったり、機首方位を自動で保持するなど、さまざまなアシスト機能を持つ機体ですが、必ずしも常に自動モードを使えるわけではないと、UH-60J の元操縦教官から聞いたことがあります。気象状況などによっては当然そうでしょう。

きょうのデモは、一時的にわずかな姿勢の乱れを見ましたが、すばらしい背風ホバリングでした。吊り上げ作業終了後は、一気に風上へ右反転して上昇していきました。やっぱり風上に向かう離陸上昇は安心して見ていられます。比較にもなりませんが、私自身のR22操縦訓練を思い出しました。

山頂のレーダーサイトまで登ったハナシ(2/2)は、次回に…。

※ 写真はすべて、2019年6月29日、やぶ悟空撮影