えりもレーダーサイトへ

コチラ(1/2)からのつづき…

航空自衛隊の襟裳(えりも)基地に出かけた一番の目的は、普段は立ち入り禁止の山頂レーダーサイトへのバスツアー参加です。このレーダーを間近に見ることができる機会は、一般開放日以外にないでしょうから。

山頂バスツアー

当日9時30分より整理券(60人限定)を配布」と案内にあったので、一般開放が始まる9時30分ちょうどに到着しました。すでにできていた長い列の後ろに並び、もっと早く来れば良かったなぁと…。20名ずつ計3回(10時、11時、13時)の山頂ツアーがあり、なんとか最終回への申し込みができました。すごい盛況ぶりです。レーダーに興味がなくても、えりも岬を山の上から見てみたいよね。

▲襟裳分屯基地と山頂のレーダーサイト(2019年6月29日、やぶ悟空撮影)

▲山頂バスツアーの上りGPS航跡(Google Earth

一般道から上る坂は砂利道でかなりの急勾配です。特にレーダーサイト直下の急登坂では、乗客から思わず「すごい坂!」と声が出ました。まるでスキー場の中級コースのような傾斜で、冬の下り坂ならクルマは絶対に止まれない! 基地にオレンジの雪上車が展示されていたのも、うなづけます。でも「襟裳は雪が少ないので、チェーンを巻いたバスでほぼ大丈夫」という説明でした。 (冒頭の写真は、雪上車の後部)

レーダーサイト

▲航空自衛隊 襟裳分屯基地(地理院地図)

地理院地図でみると、レーダーサイト山頂の標高は224.7メートルです。その付近に、メロンのような2つの球体(レドーム:レーダーアンテナのカバー)が設置されています。

▲襟裳分屯基地のレーダーサイト(Googleマップ)

写真撮影はOKですが、2つのレドームや中腹のパラボラアンテナが写真に写りこまないように、という指示がありました。想定内です。見たかったレーダー施設は、よ~く目に焼き付けることにします。ダメもとで山頂の隊員に聞いてみて分かったことは…

  • 最も高い(いちばん北)位置にあるレーダーは、水平面360度の航空機を監視する
  • 少し低い位置にあるレーダーは、航空機の高度を測る

ということでした。冗長構成で同じものが2つだろうと思っていましたが、そうではなかったんですね。レドームに付着した雪を落とすためのロープを見つけ、航空局のレーダーと同じだと嬉しくなりました。北国のレーダーの共通設備なんでしょう。

2つのレドームの間には鉄塔が建っており、20本以上の対空通信アンテナが密集していました。アンテナ長から判断するとVHF帯とUHF帯のようです。周波数ごとにアンテナが立っているという説明でした。

▲基地外の一般道から見えるレーダーサイト(2019年6月29日、やぶ悟空撮影)

この写真は、2つのレドームと対空通信アンテナの標高差を表しており、ほぼこんな感じの高低差だったと思います。

午前中には日が差す時間帯もありましたが、残念ながら午後のツアーでは襟裳岬がくっきり見える天候ではありませんでした。山頂で15分ほど見学時間をとってくれたのですが、少し寒いこともあって皆さん早々にバスへ戻りました。

パラボラアンテナ

山の中腹に、あっちとこっちを向いたパラボラアンテナ2組があります。空自の通信ネットワークを構成する回線のひとつでしょう。どこを向いているのか一応たずねてみましたが、案の定、答えていただけませんでした。じゃ、自分で考えます。

▲パラボラアンテナ(Googleマップ)

空自レーダーサイトは、道内に6か所(稚内、網走、根室、当別、襟裳、奥尻島)あること、そして襟裳は三沢基地の分屯基地であることを教えていただいたきました。Googleマップでパラボラアンテナが向いている方向を延長してみると、その先に「根室」と「三沢」があります。それらの基地とつなぐ通信回線のパラボラアンテナですね、きっと。

▲襟裳~根室(Googleマップ)

▲襟裳~三沢(Googleマップ)

▲根室方向を向いたパラボラアンテナ(2019年6月29日、一般道からやぶ悟空撮影)

根室側のアンテナは開口径(直径)が大きいです。そして反対側は…

▲三沢方向を向いたパラボラアンテナ(2019年6月29日、一般道からやぶ悟空撮影)

三沢側は開口径の小さなパラボラアンテナです。これだけ大きさが異なると、アンテナ利得には大幅な差が出ます。根室まで約250km、三沢まで約210kmと、通信距離に大きな差はないので、使用周波数帯域が異なるためでしょうか。

その他のTips

▲千歳基地の警備犬訓練展示。観客の前で緊張したみたい(2019年6月29日、やぶ悟空撮影)

▲軽装甲機動車の体験搭乗は40人限定です(2019年6月29日、やぶ悟空撮影)

▲航空タービン燃料JP-4Aが保存されていました(2019年6月29日、やぶ悟空撮影)

F-15J が2機編隊で飛来し、2回フライパスしたところで、この日に基地を訪れたみなさんはほぼ帰路についたようです。少ない観客で飛行展示もゆったり撮影でき、数に限りのある無料空揚げも希望者にほぼ行き渡ったようでした。隊員のみなさま、おつかれさまでした。そして、ありがとうございました。

  • UH-60JU-125A の救難訓練展示のハナシは、コチラ(前回1/2)

コメント

  1. アバター イカゴロ より:

    この日、Antonov-2の件で旭川空港に来れなかった理由がやっと分かりました。襟裳へとお出かけだったのですネ。最近は内地感覚から北海道感覚に身体が順応してきているのか、多少のドライブ距離では疲れが感じない身体に進化しているような気がしています。
    やはり、レーダーサイト系は、やぶ悟空さんの専門分野なので記事の重みが違いますネ。勉強になるので、いつかまた同様記事を書いてください。お願いします。

    • やぶ悟空 やぶ悟空 より:

      An-2着陸シーンも見たかったのですが、襟裳レーダーは以前から目をつけていたものですから…。残念ながら引き返したAn-2、再チャレンジはどうなのかな?