八雲飛行場と UH-1J

2019年9月29日の日曜日は、小雨の中でしたが「航空自衛隊 八雲分屯基地 創立42周年記念行事」が行われました。

八雲飛行場

八雲の基地には、1,800×45 m の滑走路1230に加え、同じ長さの平行誘導路と取付誘導路4本を持つ大きな飛行場があります。この数値だけ見ると道南地域では函館空港に次ぐ規模の滑走路・誘導路なので、以前から少し気になっていたのです。いい機会なので見に行ってきました。

八雲は航空自衛隊の基地ではあるものの飛行機やヘリコプターが常駐しているわけではなく、滑走路を使用することは稀だと隊員の方が話してくれました。この日、八雲分屯基地の正門は徒歩や自転車での入場口となっており、車両は300メートル南側のゲートから入ります。基地内に入ると、隊員の指示で滑走路の南側方向に誘導されました。

▲ 航空自衛隊 八雲分屯基地 車両入場経路(スマホのGPS記録を Google Earth で表示)

滑走路の周囲の道路を延々と走ります。途中、隊員や警備員の姿が見えないので、本当にココ走っていいンだよね?と少々不安になりました。左手に何かの施設があったりしますが警備している姿も見えず、無用心じゃないですか~と心配したりして。悪意のある人が入ってこなければいいンですが…。

滑走路12側を直角に右折してファイナル直下を横断し、誘導路側に回り込みます。そのまま進むと平行誘導路上に入りました。ここでやっと隊員の姿が現れ、誘導に従って平行誘導路上に駐車しました。飛行場として使われていないので制限区域には当たらないンですね。おかげで、滑走路の周りを約4キロ以上も自由走行することができました。八雲基地ならではの貴重な体験といえるのかもしれません。

UH-1J

プログラムによれば、地上展示は UH-1J(陸自)と UH-60J(空自)のヘリコプター2機の予定でしたが、実際に配置されていたのは UH-1J だけでした。急な業務などで UH-60J が参加できなくなったのかもしれないね。

UH-1J、八雲飛行場で

ときおり強くなったりもする雨のせいか、観客も少なめで寂しかったのですが、その分、隊員の方々はとても丁寧に対応してくれていました。

UH-1J といえば、以前から気になっていたモノがあります。コレって、いったい何なんだろ?

▲ ピカピカの6角形は?

近くの隊員に尋ねてみると「IRジャマー」というものだと教えてくれました。「IR」は赤外線Infra-Red、「ジャマー」は妨害装置jammerです。つまり、赤外線追尾ミサイルから逃れるため、こちらから妨害用の赤外線信号を発射する装置のようです。UH-1J全機に取り付けられているわけではありません。(冒頭の写真がIRジャマー

赤外線追尾方式のミサイルは、主にターゲット機のエンジン排気による赤外線を探知し、それに向かうよう飛行制御(操舵)されています。UH-1Jのエンジン排気口のすぐ上に置かれたIRジャマーは、単に強力な赤外線を出すだけではなく、向かって来るミサイルの赤外線シーカーが探知している赤外線信号に類似した強い赤外線パルスをジャミング信号として発射するそうです。エンジン排気から出る赤外線と、IRジャマーが発射した赤外線パルスを混在して受信すると、ミサイルの赤外線シーカーがターゲットの正しい方向を見誤るという、操舵の誤りを誘発させるしくみのようです。

冒頭の写真をよく見ると「DANGER, HIGH VOLTAGE」と書いてあります。赤外線パルスの生成に、またはミサイルを検知するためのレーザー生成に、高電圧が必要なのかもしれません。

また、このIRジャマーでは対応できない赤外線追尾方式のミサイルも開発され、counter measures(対抗手段)、counter-counter measures(対抗手段への対抗手段)とイタチごっこが際限なく続くのです。

UH-1J の操縦席

「どうぞ前に座って」と女性自衛官に案内されましたけど、後席から写真を撮らせてもらうだけでいいんです。苫小牧市科学センターに展示してある古い富士ベル204B-2とあまり変わらないかな、とか思いつつ…。

▲ イグニッション・キー

右席の IGNITION SW にキーが差し込まれたままでした。キーの「906」は、左右前ドアに書かれた「41906」の、または操縦席パネルの「RADIO CALL JG-1906」の下3桁でしょうね。機首には「06」とだけ書かれていました。

※ 写真はすべて、2019年9月29日、やぶ悟空撮影