北海道開発局が運用する気象レーダーのうち、「XバンドMPレーダー」は2か所(北広島、石狩)にあります。北広島に続き、今回は石狩レーダです。
石狩レーダ雨量観測所
XバンドMPレーダー、道内にあるもう1か所の「石狩レーダ雨量観測所」は、札幌から石狩街道(国道231号)を北に向かうと右手にあります。石狩のレーダーは、北広島の1年後(2014年1月)に設置されました。
「川の博物館」という大きな看板が立つ、茨戸(ばらと)川沿いにレーダーがあります。ここは石狩地区地域防災施設で、3階が石狩川放水路管理センターです。通常はゲートが閉まっており(川の博物館は事前申し込みで見学可、無料)、この日はレーダーに近付くことはできませんでした。
(↑)2階が「川の博物館」、(↓)XバンドMPレーダー
北広島に比べると、ずいぶん高さがありますね。局舎は見えていませんが、鉄塔の真下にあるのでしょう。
左のレンガ色の建物が「川の博物館」(石狩地区地域防災施設)です。
北海道開発局のwebサイトに、XバンドMPレーダアンテナの写真を見つけました。
(↑)XバンドMPレーダアンテナ(北海道開発局のwebサイトより)
小型のレドーム(レーダアンテナの覆い)の中に、このパラボラアンテナが入っているんですね。Xバンド(このレーダーは 9GHz帯)ほどの高周波になると、送受信機もアンテナ直下に置いて一体化されていると思います。レドームの形が縦長なのは、そういう理由なのでしょう。
道内のXバンドMPレーダ
「国土交通省では、人口が集中している都市部及び近年局地的大雨等により被災した地域を中心にXバンドMPレーダを導入し、降雨監視体制の強化を実施している」(北海道におけるXバンドMPレーダの整備と今後の展望について、H25年度、札幌開発建設部/北海道開発局)のだそうです。
北海道では、大都会・札幌市を挟んで2か所のレーダ雨量観測所(XバンドMPレーダ)が相互に補完しながら降雨を観測しています。観測範囲は半径30~80キロメートル程度と、Cバンド気象レーダーに比べて狭いのですが、主要な観測ターゲットにしている札幌圏については、局所的な豪雨を詳しく高精度に観測できるようになってきたと言えるでしょう。
私の住む苫小牧市では、これらのXバンドMPレーダによる恩恵をフルに受けるのは難しいかもしれませんが、これまで紹介したように道内全域をカバーしている複数のCバンド ドップラー気象レーダー情報を有効に活用し、今後の防災に役立てようと思います。
※ 特記のない写真は、2018年7月24日、やぶ悟空撮影
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※ 2020年10月に「乙部岳」を追加しました。
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