アントノフが来るって?

==== からのつづき ====

ルート

ワルシャワから東京までの距離をGoogleマップで測定すると、最短の大圏航路なら約8,600 kmと出ましたが、計画されたルートは次の図のとおりで、概ねロシア領内の南寄りを飛行するようです。

▲2019年の計画ルート(AOPAロシア

このルートの目的地は、関宿滑空場 のようです。飛行距離は片道ざっと11,000 kmってところでしょう。An-2の Economy Cruise Speed は 100 kts となっていますので、時速185キロだと60時間、1日4時間飛べば所要15日間です。天候などを考慮すると、日本到着まで1か月近くかかるでしょうか。

    • AOPA: Aircraft Owners and Pilots Association

facebook “AN-2 Lot do Tokio(東京行きAn-2フライト)や、そのwebサイトを翻訳しながら見てみると、ワルシャワを出発したのは2019年5月29日とのこと。

▲2019年、An-2 の飛行ルート(Googleマップに加筆)

ロシアの西端に近いプスコフへ飛び、以降はロシア領内の飛行です。モスクワの北を通って、カザン、ウファ、オムスク、ノボシビルスク、クラスノヤルスク、イルクーツク、チタ、ゼヤ、ハバロフスクへと高度おおむね 6,000フィート以下で飛行しました。そしてサハリン(樺太)のユジノサハリンスク到着が6月18日でしたから意外に早い! そこまでは順調だったようです。

1926年、オリンスキーの飛行経路

ちなみに、1926年のオリンスキーの飛行は、バイカル湖の東にあるチタからハルビンへと向かい、平城(ピョンヤン)を経由して日本本土に入ったそうです。2019年現在、このルートを飛行することはまったく不可能ですね。

An-2 は、ユジノサハリンスク空港から出国することとし、日本への入国地は 旭川空港 を選択したようですが、天候やその他の事情によりサハリンで10日間ほど滞在することになりました。

▲稚内へと南下する An-2 (SP-AOM) のGPS航跡。2019年6月28日12:35

やっとサハリンを離陸して南下し始め、ようやく日本の領空に入ったのが6月28日(金)の昼ごろでした。いよいよ来ますね、待ってました!

==== へつづく ====

コメント

  1. イカゴロ より:

    待ちに待ったAn-2の記事ですネ。思い出深く読ませていただきました。本件は、日本でのハンドリング担当者S氏からの連絡でスタートし、やぶ悟空さんにとっても、日本に来る来ないと無駄足を踏みつつ翻弄され続けたAn-2の来日冒険飛行でした。我々共通の友人である苫小牧在住ロシア人のD氏も大好きなロシア機のために孤軍奮闘、頑張りました。何やら、ついこの間のことなのに一昔前の出来事のように感じてしまいます。結果は、旭川空港での勇壮なお披露目なしの散々たるものではありましたが、朝日新聞旭川支社のH氏を通して、朝日新聞社機との歴史的な繋がりを知ることができたり、ロシア人のAn-2ナビゲーターとも深く知り合うことができたなど、プラス面も多々あった航空イベントのような気がしています。この貴重なる体験を踏みながら、身近なるサハリンと北海道で、ポーランド及びロシアとの航空交流が更に広がればなどと願っています。

    • やぶ悟空 より:

      記事の不足分を完全に補っていただき、ありがとうございます。久しぶりにワクワクした航空イベントでしたね、確かに。An-2を直接この眼にすることはかないませんでしたので、自分で撮影した写真がまったくないのが残念ではあります。情報を提供してくださったみなさん、ありがとうございました。

  2. 川野 より:

    すばらしい記事作成していただきまして、すごく嬉しいです!

    • やぶ悟空 より:

      久しぶりに旭川空港でお会いできて良かったです。電話で直接状況確認していただいたおかげで、みなさん大変助けられたのでは。ありがとうございました。

  3. AMIGO より:

    流石にやぶ悟空さんのREPOはすばらしいです!
    留萌でUターンした理由は皆さんとお会いしたときお話します。
    9月はUKからスピットファイヤーが来る予定です。詳しいことは別途ご連絡します。

    • やぶ悟空 より:

      AMIGOさん、ありがとうございます。スピットファイアの来日とは、心踊りますね。また、情報教えてください。

  4. AMIGO より:

    ちょっと可能な範囲でご存知でしたらおしえていただきたく。
    管制業務で出発・進入管制とターミナルレーダー管制の役割の境目はどのようになっているのか? 出発・進入管制もターミナルレーダー管制もともにレーダーを使用して管制しているんですよね。又、何れの管制の管制圏と進入管制区との役割範囲についての関連もお願いします。

    • やぶ悟空 より:

      「空域」で分類するのか「業務」で分けるのか、はたまた「管制機関」で考えるのかで変わるため分かりにくいと思います。正確な説明ではありませんが、私は感覚的に空域を「飛行場周辺とそれ以外」と考えています。
      飛行場周辺は「管制圏(航空交通管制圏:control zone)」または「情報圏」で、基本的には飛行場から半径9km(5nm)の円筒状の空域です。管制圏の航空機の管制を行うのは「Tower」と呼ばれる「飛行場管制業務」です。「情報圏」は「Radio」で(詳細省略)道内では稚内、利尻、紋別、中標津に指定されています。
      それ以外の空域というのが「管制区(航空交通管制区:Control Area)」で、高度の上限はありません。管制区の中でも出発・到着機の多い空域を「進入管制区」として告示し、「ターミナル・レーダー管制業務」が行われています。進入機だけでなく、名前に入っていないけど出発機の管制も「進入管制業務」です。現在では原則としてレーダーを使わない出発・進入管制はありませんから、ざっくり「進入管制業務」イコール「ターミナル・レーダー管制業務」と考えていいでしょう。

      管制空域で分けると、
      ・管制区(洋上管制区、進入管制区、特別管制区)
      ・管制圏
      ・情報圏

      管制業務で分けると、
      ・航空路管制業務
      ・飛行場管制業務
      ・進入管制業務(ターミナル・レーダー管制業務、TCAアドバイザリー業務)
      ・着陸誘導管制業務

      というイメージを私は持っています(航空局の分類とは異なりますが…)。また、管制機関で分類すると、ふだん使い慣れない正式名称が出てきて混乱を引き起こしそうなので省略します。
      AMIGOさん、こんなんで如何でしょう?