久しぶりに GPS旅をやってきました。
以前に「北緯43度の旅」で紹介したように、北海道には緯線と経線が交わる点、北緯XX度00分00秒、東経XXX度00分00秒の場所が 10か所あります。2017年の秋に北緯43度の5地点に接近してから2年、今回は北緯44度のチェック・ポイント4か所を目指すことにしました。今回もクマが出そうなところばかりです。(冒頭の看板は知床峠で)
▲ 43Nの赤丸は2017年の、44Nの青丸は今回2019年のポイント
他人の土地に立ち入らない…とか、スマホGPSで走行経路を連続記録してGARMIN foretrex 101で緯度・経度を確認する…といった手順は前回と同じです。地図で見る限り、北緯44度のチェック・ポイントはいずれも道路から遠くて 容易に近付けそうにはありませんが、まあ、行ってみましょう。
スタートは東から
この旅のスタートは、北海道目梨郡羅臼町の礼文町という根室海峡に面した海岸です。
▲ 北緯44度ちょうどの海岸、国道335号で
「チェック・ポイント1」からは東にかなりずれていますが、北緯44度線上で ここより近くに道はありません。(午前6時半)
▲ 知床の海は霧の中
海面が見えないほどの乳白色の濃霧です。ほんの数分前までは早朝の日差しを浴びながらドライブしてきたのに…。
▲ 海霧に覆われた羅臼市街(羅臼国後展望塔から)
標高150メートルを越える展望台に上ると、朝の幻想的な風景が広がっていました。
▲ そう遠くない距離に国後島の山々(羅臼国後展望塔から)
国後島の羅臼山(882 m)と その近くの小羅臼山(797 m)のようです。ここから山頂までの距離は 44 km です。この濃霧の中をゆっくりと出航していく船は、クジラやイルカのウォッチング観光船でしょうか。視界がきかないと思うけど、ダイジョブなの?
ちなみに、北方領土(択捉島、国後島、色丹島および歯舞群島)には、北緯XX度00分00秒、東経XXX度00分00秒ちょうどの場所はありません。よかったぁ。もし、あったとしたら行くことができないもどかしさがつのったことでしょう。
さて、まだスタートしたばかり。この見事な景色に見とれていたいけど、先の国道334号へと進めることにします。(午前7時過ぎ)
▲ 知床峠から望む羅臼岳(1,661 m)
この峠を越えて、羅臼からウトロに抜けます。(午前7時45分)
東経145度(チェック・ポイント1)
北緯44度/東経145度の「チェック・ポイント1」は、斜里町にあります。周辺一帯は、原生自然環境保全地域となっており、地理院地図で見る限り、近付くことができそうな道はまったく見当たりません。
クルマはまもなく斜里町ウトロに入ります。
▲ ウトロの海岸、東経145度ちょうど。
ここが、東経145度線上で国道の最北地点です。
▲ ウトロ
少し高いところからウトロの港を見下ろしてみました。「夕陽台」って名前ですから夕陽がきれいに見えるんでしょうが、残念ながら時刻は朝日の眩しい午前8時過ぎ。
近くのホテルの東経145度線上でエゾシカと対面しました。北海道ではめずらしくもありませんが、野生のようなのに逃げるでもなく、特に私を気にしていない様子。観光客が多いところでは人慣れしているのでしょうか。
▲ 東経145度線上の「チェック・ポイント1」にいちばん近い場所
ウトロを離れて西を目指します。北緯44度の線は、知床エゾシカファームを過ぎた辺りでいったん海(網走湾)に出ます。
▲「チェック・ポイント1」に最も近い北緯44度地点。かすかに見えるオホーツク海。
知床半島だけでこんなに長くなってしまいました。先の長い旅ですから、どんどん進みましょう。まだ午前9時過ぎ、「チェック・ポイント2」に向かうハナシは…
「北緯44度の旅、その2」につづく
※ 写真はすべて、2019年9月、やぶ悟空撮影
- 「北緯43度の旅」(2017年)もご覧ください。
- 「北緯45度を目指して」(2019年)も追加しました。