アンテナドームの作り方

からのつづき

では、大きいドームはどうやってできるのでしょう?

▲ 大きいドーム(黄色の五角形を加筆)

やはり五角形に着目して見ると、どうやら小さいドームとは構造が異なるようです。正20面体ベースなのは同じと思うのですが、どうしたらこの形になるのか分からず、ネットで調べました。ズバリの答えは見つけられませんでしたが、たぶん、こうじゃないかな。

▲ 正20面体からアンテナドーム(大) へ

  1. 同じく正20面体からスタート
  2. 2等分し、各点を結んで三角形を作ります。
  3. 中心から頂点までの距離が同じになるよう半径を延長し、80面体にします。
  4. 三角形の中心に点を付け加えます。
  5. 頂点を結んで三角形を作り、半径を同じにそろえると…
  6. アンテナドーム(大) になりました。

三角形の枚数を増やすほど球体に近付きますが、強度を保つため骨組みは金属でしょうから、送受信電波にいくらか影響がありそうです。

▲ アクセスドア

ドーム(大)の外部点検用の扉のようです。アンテナへのアクセスは、内部に階段があるのでしょう。ベランダには GPSアンテナらしきものも見えています。

▲ アンテナドーム(大)

覆いは硬いパネルではなく、ゴムっぽい素材のように見えました。瞬間最大風速90メートル毎秒ぐらいまでは耐えられそうです。よく見ると、表面のあちらこちらに傷が付いていました。飛散物が当たるンでしょうね。破れると大変ですから、特殊な強い素材なのでしょう。

奥尻のレドーム

ところで、ことし令和元年に計画された 航空自衛隊 奥尻島分屯基地のレドーム解体作業に関する入札資料を見つけました。その仕様書には、解体する複数のレドームのパネル枚数や材質などの具体的な情報が載っています。その中に、パスコのアンテナドームと同じような三角形を組み合わせた構造(ジオデシックドーム、geodesic dome)になっているレドームが2種類(A8および A13)ありました。

▲ 奥尻レーダーの 解体されるレドーム(Googleマップ)

直径は 6.83メートル(A8)と 10.0メートル(A13)、パネル枚数は 265枚(A8)と 675枚(A13) となっています。パネル1枚の面積は大きいものでも0.5平方メートル程度で、レドーム直径の大小にかかわらず大差はないようです。そして材質はどちらも「アルミ及びゴム引布」となっているので、三角形の枠がアルミ合金製、パネル面が布とゴムの複合材料ということでしょう。

入札公告によれば履行期間が令和元年7月31日ですので、レドーム解体作業はすでに終了しているはずです。奥尻レーダーが写っているGoogleマップの写真も、いずれ差し替わるでしょう。


千歳で見かけたアンテナドームから、多面体や奥尻レーダーまで話が跳んでしまいました。ほかにも ドームハウスというのが楽しそうで興味を持ちましたが、ここでは触れないことにします。三角パネルのサイズを計算してくれるサイトを見つけましたので、興味がある方はご参考に。

(おわり)

※ 「レドーム」(Radome) は Radar Dome を短縮した用語で、レーダーアンテナを保護するための覆いのことです。レーダー以外にも、衛星通信アンテナなどを覆うドームも一般に「レドーム」ということがありますが、ここでは「アンテナドーム」として使い分けました。

※ Googleマップ以外の写真はすべて、やぶ悟空撮影