2019、年末のご挨拶

2019年の苫小牧を振り返ると、私が気に留めていたことの一つに「統合型リゾート」がありました。現段階において北海道は誘致断念を明らかにしたので、とりあえずは良かったかなと思います。

IR

年の暮れも迫った25日、現職の衆議院議員が 統合型リゾートIR)をめぐる収賄容疑で逮捕されました。いまも関連報道が続いています。

IR(Integrated Resort)って何?という話は省くとして、IR誘致をすでに表明したり検討中の都府県が複数あるそうで、IR整備法(特定複合観光施設区域整備法)では全国で最大3か所とされているため、各地域の誘致レースが始まっています。

道内では、苫小牧市釧路市留寿都村の3つの自治体がIR誘致を表明し、道はその中で 苫小牧市を優先候補地として誘致を検討していました。政令指定都市ではない苫小牧市が独自で区域認定を申請することはできませんので、北海道知事の判断に注目が集まっていました。賛否はともかく、私自身は道が苫小牧市へのIR誘致を申請すれば全国3か所の一つに選ばれる可能性が高いだろうと考えていました。北海道という地域性や新千歳空港の近傍で札幌市にも遠くないという立地などが大きなアドバンテージになることでしょう。

そんな中、2019年4月に就任した鈴木直道北海道知事は、11月の道議会で IR誘致の申請を見送る判断を示しました。その理由として、限られた期間で環境への適切な配慮を行うことは不可能とした一方で、来るべき時には挑戦したいという誘致賛成派への配慮らしきものも見せました。

報道で「カジノを含む統合型リゾート」と表現されるように、賛否が分かれる大きな要因が、IR収益の中核となる「カジノ」です。IR整備法では、カジノ施設を必ず設置しなければならないことになっています。

さまざまな道民・市民アンケート調査などの結果報道を見る限り、調査によりばらつきはあるものの道民の賛否はいずれも分かれ、はっきりした意向が読み取りにくい傾向にあると感じました。誘致賛成も多いが反対意見もかなり多いのです。そのような中でIR誘致を進めることは、「道民目線で判断」という鈴木知事の言葉にそぐわない気がしていました。夕張市長時代に、過去のずさんな政策の尻拭いともいえる財政再建で大変なご苦労をされてきた鈴木知事ですから、おのずと慎重な判断にならざるを得なかったのかもしれません。

IR誘致が、苫小牧市のみならず北海道全体の経済に大きなプラスになるとしても、ギャンブルで得た収益がその基になる(儲かるより損をする人の方が多い)わけですから、そういう収益構造で経済の活性化に結び付けようとするのは、未来につながる健全な発展とは言えない気がします。関わるみんなが「ウィン」になれるのでないなら、新たな「チャレンジ」にこだわらず「手を引く」判断が賢明といえるでしょう。


2019年は平成から令和に変わった年でした。この1年も、つたない私のブログを読んでくださったみなさまに深く感謝いたします。どうぞよいお年を。

※ 冒頭の写真は、苫小牧市が計画しているIR候補地にも近い、千歳市の「市の鳥」、ヤマセミ。ほんものは千歳川の上流などに生息するそうですが、このオブジェは 2019年春に公立となった千歳科学技術大学前の街路灯です。(やぶ悟空撮影)