ゴーン・フライト

ゴーンさんに逃げられました。日本から「どうやって」脱出に成功したのか分かりませんが、使用した航空機は判明したようです。そのプライベートジェットのフライトを Flightradar24 で追ってみました。

関空 ⇒ イスタンブール

出国空港として選ばれたのは関西国際空港、機体はボンバルディアBD-700グローバル・エクスプレス(登録記号 TC-TSR)でした。BD-700といえば、以前に航空局が飛行検査機として2機(JA005G、JA006G)使用していた機種です。TC-TSR機は、そのJA005Gと同じ2002年の製造機でした。

▲ 関空を離陸したBD700TC-TSR機(Flightradar24

20191229日(日) 2309分(14時09分UTC)、ゴーンさんを乗せた(と思われる)BD-700グローバル・エクスプレス(TC-TSR)機が関西国際空港(RJBB)の滑走路06Rから離陸しました。

▲ 北へ飛ぶBD700TC-TSR機(Flightradar24

闇の中、機は高度を上げながら北へと向かいました。

▲ トルコ領空に入ったBD700TC-TSR機(Flightradar24

その後の飛行航跡はこのとおり。まるで昇る朝日から逃れるように、機はロシア領空を通過し、黒海を横断してトルコに向かいました。大部分の飛行でフライトレベル400(終盤で FL410)だったようです。

▲ 着陸したBD700TC-TSR機(Flightradar24

30日、機はイスタンブール・アタチュルク空港LTBA)にILS進入し、0215UTC(現地時刻 05時15分)、早朝の滑走路05にタッチダウンしました。飛行時間は12時間06分となります。

▲ スポットインしたBD700TC-TSR機(Flightradar24

地上走行に15分かかって空港の北西側スポットに停止しました。ここで次の航空機に乗り換えたはずです。

イスタンブール ⇒ ベイルート

次の機は、ボンバルディアBD-100チャレンジャー300(登録記号 TC-RZA)です。これらTC-TSR機とTC-RZA機は、いずれもMNG Jet社のチャーター機らしい。どんな関係が?

▲ イスタンブールを離陸したBD100TC-RZA機(Flightradar24

この機が Flightradar24 に現れたのは、離陸して高度約2,700フィートを上昇中の0303UTC(現地時刻 06時03分)でした。ということは、イスタンブール到着から出発まで、わずか30分。かなり周到に乗り継ぎ準備されていたことが分かります。着陸したのと同じ滑走路05から離陸しました。

▲ トルコからレバノンに向かったBD100TC-RZA機(Flightradar24

イスタンブールから、一路、最終目的地であるレバノンのベイルートへと向かいました。

▲ ベイルートに接近するBD100TC-RZA機(Flightradar24

フライトレベル410で巡航したTC-RZA機の飛行航跡は、キプロス島上空で降下を始め高度13,000フィートとなった0415UTC(現地時刻 06時15分)のこの位置で終わっていました。報道によれば、ベイルートラフィク・ハリリ空港OLBA)に到着したとされています。

このチャレンジャー300(TC-RZA)機の飛行航跡が再び現れたのは、0539分UTC(現地時刻 07時39分)のこと。要人を無事送り届けた後、帰途についたのでしょう。その航跡がイスタンブール・アタチュルク空港に向けて降下中に消滅したのは、2019年12月30日の0656分UTC(現地時刻 09時56分)でした。

関空を離陸してから乗り継ぎも含め約14時間後、レバノン人であるゴーンさんは、目的地レバノンへの入国を果たしたようです。こんな逃避行は、潤沢な資金を持ち世界中に顔が利く人物でなければ不可能でしょう。この困難な作業を請け負ってサポートしたのは ルパン3世だったのでしょうか? こうなってしまっては、日本の裁きを受けてもらうのは難しそうな気配ですが、少々頼りなさそうな銭形警部の手腕に任せるしかないのか…。今後の展開に注目したいところです。

※ 飛行航跡はすべて Flightradar24 による

※ 冒頭の写真は、2014年4月 成田国際空港で、やぶ悟空撮影