雪なし冬のイベント

この冬はやけに雪が少なく、いまだにオープンできないスキー場があったり、冬のお祭り会場の雪像や滑り台の制作をあきらめたり縮小するなど、近年にない影響の大きさのようです。そんな中、氷都といわれる苫小牧市で「2020 ふゆトピア・フェア in とまこまい」が 2日間にわたって開催されました。

ふゆトピア・フェア

「ふゆトピア・フェア」は、

  • 北国のふゆの課題克服
  • ふゆを活かした地域づくり
  • 技術や取り組みに関する情報交換
  • 雪国の魅力を広く発信
  • 北国における活動および相互の連携の発展
  • 地域振興を図ること

などを目指しているようです。3年に1度、北海道内で開催されている「ふゆトピア・フェア」ですが、東北と北陸で開催されている「ゆきみらい」と併せると、北国のどこかで毎年開催されることになります。

  • 2020 苫小牧(北海道)
  • 2019 新庄(山形県)
  • 2018 富山(富山県)
  • 2017 函館(北海道)
  • 2016 盛岡(岩手県)
  • 2015 長岡(新潟県)
  • 2014 釧路(北海道)

シンポジウム研究発表会をはじめ、さまざまなイベントがありますが、除雪機械の「展示・実演会」と「競技会」を覗いてきました。

省力化ロータリー除雪車

除雪機械の展示には園児たちも見学に来ていて、高くて眺めのいい運転席に座らせてもらったり除雪作業のデモに歓声や拍手を送っていました。(冒頭の写真)

▲ 開発局のロータリー

そんな中、北海道開発局のロータリー除雪車のデモがあり、屋根にセンサーらしきものが付いているのを見て興味を引かれました。

i-Snow ロータリー除雪車のセンサー類

中央の円盤の上に載っている黒い小さな箱が、準天頂衛星「みちびき」の受信アンテナです。見えていませんが、もう一つのアンテナが車両中心(センターピン)の真上に設置されており、前後に1メートルほど離れたこれらのアンテナで除雪車の進行方向を低速でも検出できるそうです。「みちびき」の高精度L6信号を使い、位置精度は数センチ程度とのこと。

左右のライトの上に載った、カバーで覆われているものが 3D-LiDAR(ライダー)です。円筒状をしているので、ヘリカルスキャン方式で周辺物までの距離や方位を立体的に把握するのでしょう。レーダーは電波を使いますが、このライダー(Light Detection and Ranging)はレーザー光で雪の壁を計測します。雪を飛ばす装置の操作を自動化してワンマン作業を目指すセンサーです。

さまざまな改造を加えながら、ここ数年にわたり知床峠の除雪作業で実証実験を繰り返しているそうです。飛行場内での除雪作業なら一般道ほど条件が厳しくない部分も多いと考えられ、i-Snow の技術や知見をより早い段階から実践に生かせるような気がします。

i-Snow ロータリー

i-Snow」の Snow って、Smart nice operation work(for snow removal work) と北海道開発局は説明しています。snow に後からこじつけたのでしょうが、n を nice にしたのは少し残念かな。で、頭の「i」が何かの説明が見つかりません。ICTなら「information」、IoTだと「internet」、技術革新の「innovation」もあるでしょうし、きっとソフトな「」なんてのも掛けているンでしょうが、「i-Snow」を商標登録(H30.2.23、第6020787号)したのなら「i」の意味もはっきり示してほしいところ。

▲ 雪だるまがかわいい「i-Snow」ロゴ

チャンピオンシップ

2日目には、除雪車を使った競技会が行われていました。

▲ 除雪の腕自慢が競う

ほぼ新車で癖のない除雪ドーザを使って競技を行います。始業前点検から始まり、前後進スラローム操縦、ブレード操作、路側追従、そして最後に車庫入れです。

▲ ブレードを前に倒して目標コーンに接近

積雪ゼロの会場で、コーンに詰めた砂を固めて台に載せてあります。

▲ 巨体に似合わない細やかなブレード操作

残った砂の高さを測ります。オジさんばかりでなく女性も参加して大きな声援を受けていました。カッコイイなぁ。

おわりに

もともと雪の少ない苫小牧での「ふゆトピア・フェア」開催ですから、会場周辺にはかろうじてうっすら白いものが残っている程度でした。除雪機械のデモンストレーションに必要な雪は運んできたそうですが、好天も相まって展示会場の足元はドロドロの状態に。

温暖化による異常気象は、地球規模で年々寒暖の振れ幅を増しているのか、降れば記録的なドカ雪、降らなきゃ積雪ゼロで水不足の心配と両極端になり、天気を読むにも過去の経験が役に立たなくなっています。

札幌市は2030年の冬季オリンピックを誘致したいようですが、ソチやピョンチャンの冬季五輪が雪不足と暖冬で苦労したように、札幌でなら大丈夫とは言えない不安が大きくなってきたと感じます。もし小雪なら、遠方から雪を運んだり人工的に作ってまでも開催する…というような冬季オリンピックだとしたら、いま話題の女性活動家、グレタさんでなくても何か違和感を感じる道市民も多いのでは?

東京2020夏のマラソン・競歩が突然 札幌市で開催されることになり、道や市はタナボタと喜んでいるのかもしれませんが、そういったIOCの決め方そのものに大きな不信感が残り、世界の多くの市が「及び腰」になっている今後のオリンピック誘致に、ますます悪影響を与えたように思います。カネもかかることだし、IOCのワガママにつきあうのはウンザリだ…ってね。

個人的には、今冬のガス代がかなり節約できそうで、小雪暖冬は大歓迎です。

※ 写真はすべて、2020年1月23・24日、やぶ悟空撮影