苫小牧ナンバー、細かなハナシ

自動車のナンバーに「苫小牧」が付くようになるのは、今年20205月ごろから。図柄入りナンバープレートのデザインも決まったことだし、心待ちにしている方も多いでしょう。そのデザインの細かいところが気になりました。

図柄の一部変更

苫小牧市は、2018年10月にナンバープレートの図柄デザインを公募し、一次選考で3点に絞った後、市民および市内事業者向けアンケート結果により国土交通省への提案デザイン(大賞)を決定しました。

▲ 図柄デザイン正式決定(苫小牧市webサイト、赤線加筆)

あれっ、と気になったのが赤枠で示した記述です。“より正確な形状の「北海道」へ変更しています” とあります。「大賞」に選ばれた作品を一部変更して正式決定版にしたようです。どこを、なぜ 変更したんだろ?

▲ 図柄デザイン一部変更

どこ」が変わったのかな? 右上の北海道に北方領土が書き加えられたことにはすぐ気付きました。択捉島国後島色丹島の3島が見えます。歯舞群島の小さな島々は、ちょうど「とまチョップ」に隠れて見えない位置なので好都合でしたね。(「とまチョップ」は苫小牧市の公式キャラクター。苫小牧市の観光大使であり、苫小牧市の副市鳥でもある)

よく見ると、ほかの島々も追加されています。利尻島礼文島、そして奥尻島です。さらに、汚れかと思うほど小さいのですが 天売島焼尻島も描かれているようです。まるで間違い探し…。

これらの小さい島々でもナンバープレート上に明確に表示できるのか心配になりますが、「国土交通省より(略)確認があり、協議の上(略)変更」したというのですから問題ないのでしょう。

北海道の島々

国土交通省は、「なぜ」こんな細かいところまで変更させようとしたのでしょうか?(「確認」とか「協議」とはいっても、実質は限りなく「指示」に近いものだろうと想像します)

▲ 北海道の行政区域(北海道webサイト、やぶ悟空加筆)

これは、総合振興局・振興局を示す図として北海道のwebサイトに掲載されている図をベースにして、根室振興局にあたる部分に加筆したものです。

「北方領土は北海道の行政区域の一部」で、根室振興局管内に含まれています。北方領土は「わが国固有の領土」であって、ひと目でわかりますがその面積はとても広いのです。国土交通省としては、ナンバープレートの図柄といえども 北方領土を省略することはできないと考えたのでしょう。領土問題を抱えている外交上の事情もあるかもしれません。きのう2月7日は「北方領土の日」でした。

北海道には他にも島々がありますが、どこまで書き加えるべきなのでしょうか? 島の面積が広い順に並べてみましょう。ちょうどいい資料が見つかりました。

▲ 北海道の島面積(全国都道府県市区町村別面積調に加筆)

国土地理院が公表している「全国都道府県市区町村別面積調(令和元年10月1日時点)」の中にある、北海道の島(面積1平方km以上)のリストです。赤丸印は北方領土の島々です。

やはり、北方領土の3島(択捉島国後島色丹島)は上位3位を独占しています。次いで、利尻島奥尻島礼文島と上位6位までが並びました。それに続く歯舞群島は「とまチョップ」の後ろに隠れたのでナンバープレートでは省略されます。

その次に面積が広いのは渡島大島といわれる松前町の「大島」ですが、ナンバープレートには記載されないようです。プレートだけでなく、先ほど掲載した道のwebサイトにある北海道地図にも記載されていません。にもかかわらず、渡島「大島」より面積が小さい「天売島」と「焼尻島」はナンバープレートにも道のwebサイトの北海道地図にも描かれています。

つまり、島の面積が広い順に描く/描かないを決めたわけではなさそうです。思うに、渡島「大島」が描かれないのは、無人島だからでしょう。この島は日本最大の無人島なのだそうです。「天売島」と「焼尻島」は面積が小さくても人が住んでいますので、省略するわけにはいかないのでしょう。

※ 「大島」に次いで弟子屈町の「中島」、「焼尻島」に次いで壮瞥町・洞爺湖町の「中島」があります。これらは 屈斜路湖と 洞爺湖にありますが、「島」として扱われるんですね。そういや、北海道地図に湖が描かれていないケド、それは省略していいのかな?

まとめ

今年5月ごろに交付が始まる「苫小牧ナンバー」の図柄は、細かいところが一部変更された上で、正式決定されました。苫小牧市の位置を示すための北海道地図に、北方領土と 人が住む島々が書き加えられたようです。とても細かい部分なのですが、些細なことではないのかもしれません。

北海道の地図デザインが少しデフォルメされていれば、ここまで小さな島々まで気にしなくてよかったのかなぁ。実際の図柄入りナンバープレートがどのように仕上がるのか、実物で確認したいものです。我が家のクルマを「室蘭」から「苫小牧」ナンバーに付け替えるかどうかは、まだ検討中ですが…。

※ 冒頭の写真は、とまチョップ デザインマンホール蓋。このくらいザックリした北海道地図だと、島々は描かれていません。

「苫小牧」ナンバー登場へ! も参考に。