不要不急ではありますが、ふらりと新千歳空港に向かったとき、タカンのアンテナが目に留まりました。あれっ、ここから見えるンだ、これまで気付かなかったなぁ。(写真は 千歳タカンのアンテナ。横切る電線が見苦しいですが…)
千歳タカンの場所
ZYT(千歳タカン)は、こちらです。
▲ 千歳タカン(ZYT)(地理院地図に加筆)
航空自衛隊千歳基地の滑走路36R側で、敷地の南端あたりです。ターミナルビル付近からは見えそうにありません。
▲ 千歳タカン(ZYT)(地理院地図の写真)
道央自動車道の新千歳空港インターにつながる道道1091号が近くを走っています。この写真の上の方に見える白く小さいものは、計器着陸装置(ILS)のミドルマーカー(MM)です。
- ILS : Instrument Landing System
- MM : Middle Marker
▲ 千歳タカン(ZYT) の情報(eAIP, AIS JAPAN)
電子航空路誌(eAIP)によれば、座標は北緯42度45分52秒/東経141度40分25秒です。航空局の無線施設は小数点以下第2位まで表示されますが、千歳タカンは秒どまり。北海道における1秒は、距離にすると東西で23m、南北で31mほどです。これ以上の正確な位置情報は、防衛上 出したくない?のかな。
- AIS JAPAN : Japan Aeronautical Information Service Center
- eAIP : Electronic Aeronautical Information Publication
千歳タカンの進入方式
この千歳タカンを使った進入方式を eAIPで見てみます。千歳飛行場 RJCJで「TACAN」の名が付く進入方式は、滑走路36Rに4種類、滑走路18Lに2種類あります(2020年3月31日現在)。そのうちの一例を示します。
▲ TACAN NR.1 ILS RWY36Rアプローチ(eAIP, AIS JAPAN)
滑走路36Rに着陸する進入方式の一つ。東の方にある三角形が JOMMY と名付けられた初期進入フィックス(IAF)で、千歳タカン(ZYT)から90°/20nm の地点です。そこから千歳タカンを中心に時計回りに90°の弧を描くように飛行してILSに乗る進入です。
- IAF : Initial Approach Fix
- nm : nautical mile(海里)
進入高度も見てみましょう。
▲ 千歳タカン進入の高度一例
赤い線が TACAN NR.1 ILS RWY 36R 進入です。隣りの新千歳空港滑走路01Lへの ILS進入(青と緑)も併せて描いてみました。1.5km離れているとはいえ平行滑走路なので、高度に差をつけていることが分かります。
平面図の IAFから半径16nmの円弧で降下しながら南へと回り込みます。高度3,000フィートで滑走路36Rの LOCコースに合流します。千歳タカンから11nmの LOCコース上で高度1,500フィートになるように降下し、レベルオフします。
- LOC : Localizer(ローカライザー)
その先は、ILS RWY 36R進入方式と同じです。LOCコースを高度1,500フィートで水平飛行し、千歳タカンから4.2nm地点で進入角2.7°のグライドパス(GP)にのってILS進入を行うものです。
xx DME と記した赤の数値xxは、千歳タカン(ZYT)からの距離を表しています。
※ タカンをもっと知りたくなったら、
2 につづく。