前回の(1/2)では 苫小牧市立病院のヘリポートと 緑ヶ丘公園多目的広場の緊急ヘリポートを紹介しました。(2/2)では、消防本部のヘリポートと 沼ノ端消防署の離着陸場を取り上げます。(写真は「2018とまこまい消防フェスティバル」で。消防本部H)
消防本部H
▲ 苫小牧市消防本部・消防署
2016年に消防本部・消防署が移転し、新庁舎の敷地内にヘリポートが設けられました。消防防災訓練センターも併設されています。
▲ 苫小牧市消防本部・消防署と 消防防災訓練センター(Googleマップに加筆)
2つの建物の間に、約95×55メートルという広い敷地が確保されています。
▲ 苫小牧市消防本部のヘリパッド(Googleマップに加筆)
ヘリパッドは、およそ20メートル四方の広さでマーキングされています。方位は「17/35」となりそうです(地磁気偏差9°W)。南西側に高さ約18メートルの訓練用タワーがありますが、1:1の転移表面はクリアしています。気になるのは南側の歩道にある街路灯です。離着陸地帯から13メートルしか離れていないので、8:1はもちろん、4:1の進入表面からも突き出ているでしょう。十分に広い敷地なので、ヘリパッドのマーキングを少し北に寄せても良かったのでは。(1:1の転移表面、8:1や4:1の進入表面については、別の機会に取り上げる予定です)
▲ 消防本部H「35」方向
左の建物が苫小牧市消防本部・消防署、右の建物が消防防災訓練センターです。前方に障害になりそうなものはありません。
歩道からとはいえヘリポートの写真を撮っている私を、訓練中のレスキュー隊員らがいぶかしげに見ていました。ご心配をおかけして申し訳ありません。
沼ノ端消防
▲ 苫小牧市のヘリコプター離着陸場(地理院地図に加筆)
市内東部には「沼ノ端消防」の離着陸場があるハズです。道防災航空室の指定離着陸場リストには「苫小牧消防署沼ノ端出張所 空地」と掲載されています。
▲ 苫小牧市消防署 沼ノ端出張所
▲ 苫小牧市消防署 沼ノ端出張所(Googleマップに加筆)
建物の裏手に、およそ100×50メートルの広い敷地があるようです。
▲ 沼ノ端消防の空地
離着陸場に指定されている「空地」というのは、ここに違いない。三方に木々がありますが、広いので問題なさそうです。
▲ 沼ノ端消防のタンク群
泡消火薬剤タンクが10基並んでいます。1基あたり30キロリットルのタンクには、「マイティフォーム 3610」と「メガフォーム」と書いてありました。苫小牧には製油所やオイルターミナル、巨大な石油備蓄基地などがありますから、こういう備えは欠かせないですね。
高層ホテルの屋上H
さて、もう1か所、中心部の駅前中央通りにヘリポートらしき場所を見つけました。地上16階建で高さ80メートルという、おそらく苫小牧でいちばん高い建物の「グランドホテルニュー王子」、その屋上です。Googleマップでは、オレンジ色のマーキングをうっすらと見ることができます。何か文字が書いてあるようですが、判読できません。
▲ グランドホテルニュー王子の屋上ヘリポートらしき場所(Googleマップ)
苫小牧消防には 40m級はしご車1台が配備されていますが、このホテルの上層階には届きません。おそらく緊急時のためにホテル屋上に設置されたこの場所は、ふだん使われることはないでしょう。
▲ グランドホテルニュー王子
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「むかわのヘリポート」に引き続き、2回にわたって「苫小牧のヘリポート」4か所プラス1をご案内しました。もしものときに とても頼りになるヘリコプター、長い滑走路がいらず何処にでも降りられると思うかもしれませんが、救助に向かったヘリコプターが事故に遭遇してしまうことも起きています。ヘリコプターによる助けが必要になる前に、安全に離着陸することができる「場外離着陸場」を複数選定し、いつでも使えるように整備しておくことが大事かもしれません。
※ Googleマップ以外の写真は、やぶ悟空撮影