苫中インターの ICT施工

苫小牧中央インターチェンジ、新型コロナの影響が心配される中でも工事は順調に進んでいるようです。(写真は 道央自動車道の苫中IC付近、略図=0

現れた料金所

これまで紹介してきた、

に続く、4本目の苫小牧中央IC記事です。

▲ 苫小牧中央IC(仮称)略図

道央自動車道で苫小牧内中心部にいちばん近いICになるので地元の期待は大きく、2020年度内20213月)の完成を待ちわびています。「苫小牧中央インターチェンジ」というのはまだ仮称ですが、おそらくそのまま正式名称になることでしょう。

▲ 工事中の苫中IC、略図=1

写真左のほうに料金所が現れてきました。2018年春の掘削では工事車両が走るだけの幅しかありませんでしたが、徐々に拡幅されて今は最終形態になったようです。法面の植生などもきれいになりつつあります。

▲ 苫中IC料金所付近、略図=2

建物の鉄骨が組まれ、屋根ができています。料金所や車庫などになるのでしょう。

▲ 料金所ゲート、略図=3

「一般」と「ETC専用」の2ゲートになりそうですね。

接続道路の進捗

▲ 橋梁、略図=4

道央自動車道を渡る橋梁は、2019年9月に「苫中インターに架ける橋」で紹介して以来、さほど大きな変化は見られません。本線に合流する道路が工事中です。

▲ 橋梁の奥に苫小牧市内中心部、略図=5

橋は、まだ車両が通行できる状態にはなっていません。

▲ 南側から見た橋梁付近、略図=6

▲ 本線南側のループ、略図=7

270°レフトターンで本線に合流するトランペット型です。

ICT施行

この工事現場で、ICTといわれる情報通信技術を利用しているようです。

▲ 基準局と3D-MCバックホウ、略図=8

ループ内の高いところに、RTK-GNSSの基準局らしきものが設置してありました。近くに置かれた重機は、ICT油圧ショベルZAXIS 200)のようです。おぉ、今どきの土木工事は進んでるようだなぁ。

RTK-GNSS基準局、略図=9

黄色い一体型GNSS受信機は、外観から Nikon-Trimble製のようにお見受けしました。GPSなど複数の測位衛星システムからの電波を受信し処理することにより作製した補正情報を、白い棒状のデータ通信用アンテナから周辺に送信する基準局だろうと思います。クーラーボックスにはバッテリーを入れて、太陽電池パネルで充電しているのでしょうか。

▲ バックホウのGNSS機材、略図=10

この油圧ショベル(バックホウ)には、GNSS受信機(白いアンテナ部と一体の黄色い本体)が2台と 補正情報受信機(写真右上の黄色ボックス)が取り付けられています。2本のマスト上に固定されたアンテナ一体型GNSS受信機は、基準局から送信されるGNSS補正情報を用いると誤差数センチという高精度な測位が可能となり、バックホウの三次元位置や向きを検知します。

ブーム、アーム、バケットには角度センサが、車体には姿勢センサが取り付けられています。車体に「3DMC」と書かれているのは、三次元重機制御システムに対応していることを示しています。「3次元設計データを搭載したバックホウにより掘削・法面整形作業を行うことで、3次元設計データとバケット位置との標高差等の操作支援情報をオペレータに提供するとともに、ブームやアーム、バケット操作の半自動制御を行う技術(国土交通省資料)なのだそうで、バックホウの刃先が設計面より下に下がらないよう制御されるとのこと。文字の説明では分かりにくいので、一例として次の図をご覧ください。

ICT施工(日立建機 ICT油圧ショベル – ZAXIS 200x カタログ)

この法面作業だけを考えても、重機のオペレータが完全に手動で精度良く施工するには、相当な熟練が必要だろうと素人でも想像がつきます。GPSから始まった衛星測位やその補正・補強技術の進歩により、垂直方向でさえ 3~5cm程度の精度(RTK-GNSS)が得られるようになりました。ICTは人手不足を補う意味でも期待できそうな使えるテクノロジーのようです。

近い将来には完全に無人化された重機作業も可能になるでしょう(すでに一部ではなっているらしい)から、現場環境をさらに改善するなどの努力を重ねれば、大卒技術系女子たちが土木工事現場を仕切る時代が来るだろうと大いに期待しています。

(ここで使用した略語)

  • 3D-MC : Three-dimensional Machine Control、三次元重機制御システム
  • ETC : Electronic Toll Collection (system)、電子料金徴収システム
  • GNSS : Global Navigation Satellite System、全球測位衛星システム
  • GPS : Global Positioning System、全地球的測位システム
  • IC : Inter Change、インターチェンジ
  • ICT : Information and Communication Technology、情報通信技術
  • RTK : Real-time Kinematic、リアルタイム・キネマティック

※ 特記のない写真はすべて、2020年5月下旬、やぶ悟空撮影

この3か月後の状況は、こちらの記事で。

開通日が決まったようです。こちらをご覧ください。