胆振のアメダスめぐり(7)

これまで回ってきた北海道の胆振地方にあるアメダスなど14か所の気象観測所、最後に訪れるのは「苫小牧」です。

胆振地方にある気象観測所14か所のマップは、こちらでご確認ください。

苫小牧 特別地域気象観測所

苫小牧(とまこまい)はアメダスではなく、特別地域気象観測所という名前が付いています。何が「特別」かと思ったら、測候所だったところを機械化・無人化して名前を「特別地域気象観測所」にしたということらしい。「苫小牧測候所」は 2004年に有人観測が終了しました。

▲ 苫小牧特別地域気象観測所

JR苫小牧駅から室蘭方面へ2つめの糸井駅で下車すると2~3分の場所、しらかば町です。我が家から歩いてもまあ行けるけど、いつもは自転車で通る道のそば。

▲ 観測所の機器(苫小牧特別地域気象観測所)

ここで観測しているのは、「降水量、風向、風速、気温、湿度、気圧、日照時間、積雪の深さなど」と書いてあります。気圧を測る機器はおそらく観測局舎の中でしょうか。

では、順に見ていきます。

▲ 風向風速計と日照計(苫小牧特別地域気象観測所、2020.6)

てっぺんにある風向風速計の垂直尾翼が、アメダスのものとは異なっていることに気付きました。

▲ 風向風速計の垂直尾翼(2020)

アメダスの観測所で使われているのが写真右上、飛行機の垂直尾翼によく似た形状です。

写真左上が、室蘭(地方気象台)や苫小牧(特別地域気象観測所)で使われている風向風速計です。プロペラ回転軸に上下対象で、尾翼面積がアメダスより広くなっています。プロペラが4枚というのは同じでも形状が異なっています。

写真右下は気象庁のものではなく、穂別ヘリポートの脇にあった気象観測施設の風向風速計です。尾翼がアメダスより大きいようです。

苫小牧の風向風速計には、室蘭のような凍結防止用の赤外線ランプが付いていません。4年前のクリスマスに苫小牧の風向風速データが3日間以上も連続して欠測したのは、凍結のせいだったようです。「風向・風速計感部障害(凍結)のため、…風向・風速を欠測とした。(気象庁)」

▲ 積雪計と雨量計(苫小牧特別地域気象観測所、2020.6)

レーザー光で測る光電式積雪計です。室蘭地方気象台と同じように人体検知器もあります。

2018年10月に見たときは背の低い雨量計が使われていましたが、この日は背が高い方の雨量計が使われていました。

▲ 視程計(苫小牧特別地域気象観測所、2020.8)

前方散乱式視程計も室蘭と同じようです。

▲ 温度計と湿度計(苫小牧特別地域気象観測所、2020.8)

風通しを良くするファンが付いた通風筒の中に、温度計と湿度計のセンサーが入っているそうです。

▲ 感雨器と雨量計(苫小牧特別地域気象観測所、2018.10)

円錐の表面にくし形のプリント電極があり、雨粒が当たると通電して雨を知らせる仕組みだそうです。鳥がとまってフンをしないよう、真ん中に針が立っています。

このときは、背の低い雨量計が使われていました。ヒーターなしのタイプなので、冬季は背の高い支柱を使うと思います。

▲ 苫小牧の露場(Googleマップ)

Googleマップで上から見ると、こんな配置です。北側の雨量計は背が低く、感雨器を挟んだ南側の雨量計の背は高くなっています。

▲ 樽前山火山観測局と観測局舎(苫小牧特別地域気象観測所、2018.10)

こんな箱が設置されていました。プレートには、胆振を管轄する室蘭地方気象台ではなく札幌管区気象台と書いてあります。火山観測に必要で素人が思い浮かぶものは…、地震計!? 知らんけど。

敷地内には、ほかにも…

▲ 測量点(苫小牧特別地域気象観測所、2018.10)

こんなのやら…

▲ 太陽電池パネル(苫小牧特別地域気象観測所、2020.6)

こんな新しいのもありました。

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新型コロナウィルスのため、大勢が集まるイベントなどは航空関連も含め軒並み中止になった2020年の春から夏。全国的に緊急事態宣言が出され、県をまたいでの移動自粛も要請されました。かといって道内ならどこでも移動可というわけにもいかず、クルマのナンバー7地域内(現在は9)ぐらいで抑えるのがいいかと思い、おおむね胆振地域から出ないように生活していました(千歳の空港へは出ていましたが…)

苫小牧に住み始めて まる4年、まだまだ胆振をよく知らないので地元を見つめる良い機会とポジティブに捉え、「胆振のアメダスめぐり」を思い付きました。天気予報を聞いていると、市区町村名より詳しい地名が流れることがあります。たとえば「白老町の森野で○○ミリの雨を観測」などと言われると、我が家にも影響が及びそうだけど「森野」ってどこ? と疑問を持ちます。

アメダスのある場所はおそらく人けが少ないでしょうから、他の人と密にならずに訪れることができそうです。気象庁が公表しているアメダス緯経度とGoogleの案内を頼りに、アメダス12か所と室蘭に苫小牧、計14か所の巡礼を行いました。(実際に回った順とブログで紹介した順番は一致していません)

気象観測機器に特別の興味があるわけではないのですが、航空人にとって気象はとても重要な要素なので、少々苦手な気象の知識を少しは深めることができたかもしれません。

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胆振のアメダスめぐり、おわり。

※ 写真は、2018年10月、2020年6月および8月の撮影が混在。Googleマップ以外はすべて、やぶ悟空撮影