松前タカン

チャートを見ていて、どの航空路にもつながっていない航空保安無線施設に気付きました。北海道最南端の白神岬に近い「松前タカン」です。

ロケーション

この眼で松前タカンを見てみたいのですが、苫小牧からは遠いので、しばらく二の足を踏んでいました。そしてこの夏、天気を見ながら向かうことにしました。片道およそ300kmの道のりです。

松前タカンの位置(Enroute Chart, AIP Japan および 地理院地図 に加筆)

自衛隊の訓練/試験空域である C-1の境界付近に位置しています。TACAN(UHF Tactical Air Navigation Aid)ですから、主に自衛隊機が使っているだろうことは想像できます。チャートの 1019 は周波数1019MHzを、WMT は識別符号(ID)を、58X はチャネルを示しています。

松前タカンは、海上自衛隊 函館基地隊 松前警備所が所管しているようです。海自の調達情報webサイトに タカン局舎の工事情報などが載っていましたから…。

松前タカンの周辺(地理院地図に加筆)

国土地理院の地図で見ると、松前タカンは急峻な坂を上った標高およそ210メートル付近に設置されていることが分かります。AIPによれば 212m(695ft)。その北の方17kmには標高1072メートルの大千軒岳がそびえていますが、他の方向はそこそこ開けているのでタカンの電波にとっては悪くない位置です。C-1空域における訓練時やその後の帰投などに有効だろうと思います。

AIPに掲載されている松前タカンの Unusableエリアは次のとおり。

  • R010-060 BLW 13000ft.
  • R060-080 BLW 12000ft.
  • R330-340 BLW 8000ft.
  • R340-010 BLW 18000ft.

ざっくり言うと、北北西~東の方向では 高度2,400~5,500メートル未満で松前タカンの電波が使用できないことを表しています。松前半島の山々がある方角の低高度で使用できないのは、UHF電波の特性上やむを得ません。

▲ 荒れた急な道から目指す松前タカン

ジムニーで来ればよかった(持ってないけど…)と思うような道。この先は歩きました。

TACANサイト

松前タカン局舎

警報線が編み込まれたフェンスの中に、小さめのタカン局舎がありました。地上タカン機器が収められているハズです。敷地内には監視カメラやセンサーらしきものが見えました。少し離れて歩いたりして…。

AIPによると、松前タカンの運用時間は土日祝日を除く08時~17(日本時間)になっています。航空路を構成するVOR/DME施設などには発動発電機や無停電電源装置などが配備されていますが、時間運用の松前タカンはそこまでの設備はなさそうな気配です。

▲ タカンアンテナのドーム

この中に収められているタカンアンテナは、おそらくドラム状の形だろうと思います。千歳のタカンを参照ください。

ドームの着雪を落とすためのロープがありました。避雷針はドーム頂上ではなく、すぐ隣に別に建てられています。(冒頭の写真)

▲ 海上監視レーダーらしきアンテナ

タカン局から少し下がった位置に海上監視レーダーらしきものがありました。標高180メートル付近です。津軽海峡を挟んだ対岸の竜飛警備所とともに、艦船の警戒・監視を行っているのでしょう。北海道側は近くの白神岬にもレーダーがあります。

▲ 松前のヘリパッド

西側に目をやると、白い「」マークのヘリパッドが見えました。あそこへも行ってみましょう。

」につづく。