松前タカン

」からのつづき。

ヘリポート

▲ ヘリポート

海岸線を走る国道228号から入って1分、畑の端にヘリポートがありました。吹き流し用のポールが立っています。舗装面にはヘリコプターのスキッドで凹んだ跡がいくつも残っていました。

▲ 松前のヘリポート(Googleマップ)

Googleマップで確認すると、標準的なマーキングと異なり、円形で白線が1本加えられています。磁北を示す線のようですね。この付近の地磁気偏差は 9.5°Wです。

▲ ヘリポートの方位

Googleマップのマーキング方位と地磁気偏差から推算すると、離着陸方位は ほぼ東西の09/27となりそうです。

▲ ヘリポートから望む 松前タカン

標柱の刻印は「防衛」と読めます。車止めのパイプ柵が設置されていますが、立ち入り禁止表示などはありません。このヘリポートも海自の松前警備所が管理しているのでしょう。

▲ ヘリポートから見た松前タカン(左)と海上監視レーダーらしき設備

▲ ヘリポートから見える松前小島

ヘリポートから沖合24kmの距離にある無人島の名は「小島(国土地理院)。渡島小島とか松前小島などとも言われます。2017年11月には北朝鮮の船がこの島に上陸し、灯台や管理小屋の家電製品などを略奪する事件がありました。

ほんとうの北海道最南端は白神岬ではなく、この小島なのだそうです。

TACAN

航空機側に搭載する機上タカン装置に対し、地上側の装置を地上タカンと言います。機上タカン装置からの質問パルスに対して地上タカン装置が応答パルスを送出することにより、航空機はタカン局からの距離を知ることができます。また、地上タカン装置は方位バースト信号も発射しており、電子的に回転させる電子走査アンテナ素子の工夫により方位情報を知ることもできるのです。タカン局からの距離と方位を知ることができれば、自機の位置が求められます。

面倒なしくみはともかく、たとえば GFRN-3-C というNEC(日本電気株式会社)製の「地上タカン装置等」として、13億5千万円(2017年度)という価格が公表されていました。航空局が調達する機材も同様なのですが、日本全国にごく少数しかない受注生産品ですから、おのずと高額になってしまいがちです。で、松前タカンは おいくら万円?

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最後に、松前タカン周辺にある TACAN局マップを掲載しておきます。

▲ TACAN局(AIPの Enroute Chart に加筆)

北海道にはVORTACが設置されておらず、TACAN千歳ZYT松前WMT)の2局しかありません。民間機でTACANを使用できるのは 距離測定(DME)機能だけですので、これらのTACANが航空路を構成する要素になることはないのです。

※ 特記のない写真は、2020年8月、やぶ悟空撮影