西日本、空域上下分離はじまる

以前の記事「神戸に管制部(2019年2月17日)の続編です。2020年11月、西日本を皮切りに空域の再編がいよいよ始まりました。

Fukuoka FIR(eAIPの図に加筆)

念のため、我が国が航空管制を担っている Fukuoka FIR の図から入りましょう。4つの航空交通管制部(ACC)と航空交通管理センター(ATMC)がエリアを分けて航空管制を行っています。

航空局が航空交通量の増加に対応するため「空域の上下分離」を行うことにしたのは、前述の記事で紹介したところです。まずは、福岡ACC神戸ACCが担当する西日本空域から着手しました。2022年4月をめどに、洋上を除く国内空域は次の図のイメージになります。

▲ 2022年4月の国内空域

現在の東京ACCと福岡ACCの境界から西の空域は、高高度/低高度に分割されます。高高度は福岡ACCが、低高度は神戸ACCが航空管制を担当します。

▲ 西日本空域上下分離への移行イメージ

これまでは、西日本空域を地図上で線引きして福岡ACCと神戸ACCに分けていました(いちばん上)。2020年11月5日、福岡ACCの空域が上下に分割されました(2番目)。分割した高度は、FL335(33,500ft、およそ10,000m)です。

  • FL : Flight Level

年明け2021年1月末に福岡ACC低高度の南側のセクターが神戸ACCに移管され、続いて同2月末には残る低高度の北側のセクターも神戸ACCに移ります。(真ん中)

次に、2021年12月には神戸ACCの空域も上下に分割され(4番目)、2022年2~3月ごろに神戸ACCの高高度エリアを福岡ACCに移して、西日本空域の上下分離が完了する計画です。(いちばん下)

では、2020年11月5日付で分割された福岡ACCの空域を、もう少し詳しく見てみましょう。

ACC Sector Boundary(eAIPの図に加筆)

細かく分割されたセクターがたくさんあって、この辺りのエリアに土地勘がない私にとっては非常に分かりにくい印象です。赤線を引いたところ、335+335- が目立ちますね。多くのセクターがFL335で上下に分割されています。

この図ではイメージがつかみにくいので、次の図を描いてみました。

▲ 福岡ACCの上下分離(2020年11月5日)

セクターが再編され、高高度ではF09, F10, F12~F15の6セクターに、低高度ではF50~F54の5セクターになりました。

次の段階は、2021年1月末に低高度のF50とF54が神戸ACCに移管され、同2月末には同じくF51~F53も神戸ACCに移ることになります。

▲ 西日本空域の上下分離と飛行高度

計画どおり進むと、2022年4月にはFL335を境にした西日本空域の上下分離が完了し、こんなイメージになるのでしょう。

さらにその後は、東日本・北日本空域の上下分離が同じように進められるハズです。そして国内空域再編の最終形態は…

▲ 目指す国内空域再編形態(2025年4月~)

このようになるはずです。

国内空域の再編プロジェクトは、まだ始まったばかり。ステップ・バイ・ステップの慎重な移行に引き続き注目していきたいと思っています。

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参考にした資料

  • eAIP JAPAN (Effective 05 NOV 2020)
  • 航空管制の現状と今後について(航空局管制課、令和2年10月)ATMシンポジウム2020

※ 冒頭の写真は、2020年9月、やぶ悟空撮影

コメント

  1. アバター Cj より:

    昨日のよるにBGで仮運用室から本運用室へ移行やってましたね〜
    これからまた人の移動もあるし、訓練あるし大変ですね。