年明け、苫小牧・千歳は雪が少なく天気が良かったので、飛行機を見に新千歳空港の周辺へと向かいました。ちょうど離陸してきた ちっちゃいビジネスジェットは、初めて見るホンダジェットでした。
慌ててカメラを向けたものの、辛うじて捉えることができたのは後ろ姿だけ。
▲ HA-420 HondaJet Elite, JA01JP
「HondaJet Elite」は2018年12月に日本での型式証明を取得した機種で、このJA01JPは同20日に引き渡しされたのだそうです。
Flightradar24でこの日の飛行航跡を調べてみると…
▲ 新千歳空港から離陸したホンダジェット(flightradar24、時刻はUTC)
1月5日の14時18分ごろ「HDJT」と表示されるホンダジェットが現れました。滑走路01Lから離陸し、私が撮影したのはこの右上昇旋回中です。
▲ 成田空港に向かったホンダジェット(flightradar24、時刻はUTC)
フライトレベル400、対地速度340ノットほどで巡航していました。Wikipediaによれば最大巡航高度は43,000フィート(約13,000m)、最大巡航速度は420ノット(780km/h)ほどです。16時前には成田空港に到着しました。このビジネスジェット機の共同所有者の一人にホリエモンも含まれているらしいですが、この日に搭乗していたのはどなただったのでしょう? 最大定員は乗員を含め7名というキャビンの広さも売りの一つです。
さて、撮影した後ろ姿の写真を見たとき、エンジンのパイロン(支柱)が空力的にずいぶん内側へ絞り込まれていることに気付きました。もっと分かりやすい写真を…と探してみると、HondaJetが提供する壁紙にこんなのが見つかりました。
▲ エンジンとパイロン(HondaJet公式ページ Gallery & Downloadsより)
ホンダジェットの1番の特徴といえる不思議なエンジン配置、「OTWEM」が良く分かる写真です。Over-The-Wing Engine Mount と設計者の藤野道格(ふじのみちまさ)氏は呼んでいます。「Case Study 4, HondaJet」(Copyright © 2011 by the American Institute of Aeronautics and Astronautics, Inc. All rights reserved.)によれば、ナセル、パイロンおよびフェアリングの形状や位置の決定は、干渉を最小化するのではなく、敢えて“favorable interference”(好都合な干渉)を発生させ空気の流れを重畳させるという考え方でした。その設計過程で、内側に絞り込んだパイロン形状が定まったのでしょう。
結果、一般的なビジネスジェットのように胴体後方にエンジンを配置するより抵抗を小さくし、機体サイズの割に客室を広くすることに成功したのです。
▲ HondaJet(Case Study 4, HondaJetより)
いかにも「ホンダ」の名にふさわしいイノベーションのように感じています。
※ 特記のない写真は、2021年1月5日、やぶ悟空撮影
コメント
私の友達の友達があるHONDA JETのパイロットです。HUNDLING 業務を何度かやってます。
次のハンドリングの機会には、情報を教えていただけるとうれしいです。
わかりました。情報提供します。